参拾 出会い ページ33
炭治郎side
俺は、錆兎や真菰の協力のおかげで、あの大岩を斬ることに成功し、今、最終選別に向かっているところだった。
ここでは藤の花が時期ではないにも関わらず、狂い咲いていた。
禰豆子にも見せてやりたいなぁ。なんて思っていると、階段で足を滑らせ転びそうな子がいた。
「おっと…!」
「え…。」
転びそうになっていたのは女の子だった。
黒い髪…いや、微かに緑色が入ってる。緑と言うより翡翠…?綺麗な髪色だ。
女の子は髪と同じ色の瞳を微かに見開き、俺を見ていた。
「大丈夫か?」
「うん、だいじょぶ、ありがとう。」
「階段、急だからな。 俺も気をつけなきゃだな。 あ、俺は竈門炭治郎だ、よろしく!」
その女の子は驚いたようにじっと俺のことを見つめていた。
階段から落ちそうになったのがそんなに驚いたのかな?
それとも額の火傷を見てる、とかか?
んー、よくわからないなぁ。
「えっと君は…。」
「あ、えっと、真宮Aです。本当にありがとう助かったよ。」
「いいんだ、気にしないでくれ。 それにしても女の子でも最終選別にくるんだな。」
「あぁ、うん、まぁね。 でもなかなか緊張しちゃって…。
ははっ、ダメだねぇ師匠に稽古つけてもらったから絶対大丈夫なのに。
生きて帰るって約束したんだ。だから絶対大丈夫。」
最初は少し怯える匂いがした。
けどその匂いはすぐに消えた。
『大丈夫』のその言葉は、まるで自分に言い聞かせているようにも見えるし、全く別の誰かに告げているようにも見えた。
「良かったら試験中、一緒にいないか?
1人より心強いと思うんだ。俺も、Aも。」
「なにそれ、すき。」
「え?」
「なんでもない、間違えた、それよりいいの?
私、邪魔しちゃうかも…。」
途中でなんだかよくわからないことを言われた気がした、のは、気のせい、だよな…?
それに、Aが邪魔なはずない。
匂いでわかる。Aの匂いは、酷く優しくて、真っ直ぐで、とても強い人の匂いだ。
「邪魔なんかじゃないさ、Aが強いってわかるから。」
俺がそう言うと、Aは少しだけ嬉しそうに微笑み、
「じゃあ、試験中一緒にいさせてもらおうかな。」
そう言った。
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千秋 - わたしもマンガや占ツクで人生救われてます。 (2021年9月5日 10時) (レス) id: 9b2ede0f16 (このIDを非表示/違反報告)
皐月 歩(プロフ) - ひかるんさん» コメントありがとうございます!ホントですか笑 私も占ツクで夢小説読みますが、出身地に「北海道」って書いてるだけで「おぉ!」ってなります笑 そう言っていただけると嬉しいです!これからも読んでくださると嬉しいです! (2020年2月7日 21時) (レス) id: a5856dc1fc (このIDを非表示/違反報告)
ひかるん(プロフ) - 夢主と出身地全く同じです…笑運命感じました笑おはなし面白かった。! (2020年2月7日 21時) (レス) id: d7aec245e0 (このIDを非表示/違反報告)
皐月 歩(プロフ) - ナツさん» コメントありがとうございます!へぇ、そうなんですね!実は私は道民でして、北海道は夏でもそんなに気温が上がらないので、知りませんでした!新しく知識を得ることができました笑 ありがとうございます! (2019年12月15日 15時) (レス) id: a5856dc1fc (このIDを非表示/違反報告)
ナツ - ツルハドラッグは全国にあると言えばあるけど、割とローカルなお店ですよね笑 道民以外の人からすると32度は涼しいと思います(真顔) (2019年12月15日 11時) (レス) id: ab2b848f50 (このIDを非表示/違反報告)
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