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「涼介君。…侑李君ね、裕翔にも何も言ってくれないんだ。なにも話してくれなくて、どうして切ったのかもわからない。俺らじゃきっと、どうしようもできない」


『……』


「だから、一番侑李君をわかってる涼介君から、聞いてほしい。どんなに小さなことでもいいから。……お願い、してもいいかな」


『……侑李、』





そう小さく呟いた涼介君は意識を浮かせたように、ふらふらと部屋の外へ出る。
向かう先は交流ルーム。大貴君もいたはずだから、俺も向かった。



着いた先で、涼介君は侑李君を見つめて棒のように立ち尽くした。
大貴君と遊んで、楽しそうに笑っている。





「涼介君…」


『俺も、…侑李のこと、助けたいんだ』





そう言って侑李君の隣に静かに膝をつく。
気付いた侑李君は「にぃに!」と言いながら抱っこをせがんだ。

俺はというと大貴君の傍に行き、二人から気を逸らす。





『侑李、抱っこしてあげるから、俺が今から聞くことに答えてくれる?』


『…?だっこ、!』


『…うん。抱っこね。』





侑李君を抱き上げた涼介君。2人は小さな声で会話を始めた。

大貴君は、察しが良いのか、1人で遊び始めた。
俺の事をちらりと見たけど特に怖がる様子も無くまた手元に集中する。

積み上げられた積み木はきっと、お城の形。





『侑李。裕翔先生、帰ってきたね』


『うん、!ゆうちゃ、いいこにしたもん、』


『…寂しかった?』


『……うん、』


『…だから、ここ、痛くしたの、?』





侑李君の顔が一瞬で曇るのがわかった。
涼介君もそれがわかったようで、侑李君を抱っこしたまま廊下に出る。





「大貴君、先生涼介君のこと待ちたいから、ここに居ても大丈夫?」


『うん、…あ、でも、』


「ん?」


『光くんとも、遊びたいなぁ』





そう大貴君が言った瞬間、少しぐらついた積み木が城を半分だけ崩した。





『あぁっ、!……んー、また作り直さなきゃ、』


「じゃあ光くんも呼んで三人で作ろっか、!」


『うん!』





携帯を出し、光くんへ連絡を入れた。

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青信者(プロフ) - 更新待ってます!頑張ってください (2019年6月16日 17時) (レス) id: 244d1614eb (このIDを非表示/違反報告)
まり622(プロフ) - 更新待っています、、 (2019年5月19日 2時) (レス) id: 2d9ec59275 (このIDを非表示/違反報告)
猫介 - 更新待ってます!これからも応援してます!ガンバレッツゴー!!! (2019年2月9日 21時) (レス) id: bed5365be5 (このIDを非表示/違反報告)
kou - 更新待ってます。 (2018年8月9日 22時) (レス) id: 6fef2e555d (このIDを非表示/違反報告)
Anna - 初めまして!コメント失礼します。更新楽しみです!色々と気になって……(笑)頑張って下さい! (2018年7月16日 17時) (レス) id: ae93d703c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神楽 | 作成日時:2018年1月13日 9時

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