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(薮side)
次の日、涼介君の部屋へ行くと珍しく圭人君がいた。
「圭人君、耳の調子はどう?」
『少しは聞こえるようになったよ、でもまだ聞こえずらいや』
「そっか、早く治るといいんだけどね……」
『こればっかりは先生にも治せないでしょ?大丈夫だよ』
侑李君は涼介君に抱っこされていて、俺の方を見て瞬きをしていた。
そういえば侑李君がこの部屋から出るのって見たことない。
まぁ俺らがここへ来た時のように逃げたり隠れたりすることは無くて、
あとは普通に会話出来ればいいんだけど。
「涼介君も侑李君も、体調悪いとかは無い?」
『俺は大丈夫だよ、ただ侑李が最近ずっとお腹痛いみたいだけど』
「じゃあお薬用意しとくから、飲めそうだったら飲んでね?」
『うん。あ、やぶせんせ、』
「ん?どうしたの?」
『そ、…その、えっと…』
『侑李、ゆっくりで大丈夫だよ』
侑李君は深呼吸をして俺の横を通り過ぎて行った。
「ん?」
『ゆうちゃね、おへやからでれるようになったの。もうみんなのこと、へーき。
ぜんぶぜんぶ、にぃにのおかげなの!!』
俺にピースをした侑李君はにっこりと笑った。
ここへ来て、子供の笑顔をみたのは本当に久しぶりだった。
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あおミロ@cwer(プロフ) - すごく好みなお話です!続き楽しみにしてますね! (2018年1月11日 21時) (レス) id: c68eb7adfe (このIDを非表示/違反報告)
Munini - 初めまして!とっても面白いお話ですね!これからも更新頑張ってください!!楽しみにしています(^_^) (2017年11月29日 23時) (レス) id: e76c6e3618 (このIDを非表示/違反報告)
ちょん(プロフ) - このお話とっても面白いです!! 更新楽しみにしています!! (2017年11月20日 16時) (レス) id: 23864bc735 (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるく - 更新待ってます! (2017年11月12日 22時) (レス) id: 35827059c8 (このIDを非表示/違反報告)
kou - 更新待ってます (2017年10月20日 20時) (レス) id: 6fef2e555d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神楽 | 作成日時:2017年8月15日 9時