平成精神病院 . 地下閉鎖病棟

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(八乙女side)




今日の朝、突然院長に呼ばれた。

何かやらかしたか、そう思ったけど院長に相談があるって言われたから
特に心配もいらないかな。

普通病棟に上がってきて、院長室へ向かう。


他の看護師は俺を「新人か？」というような目で見る。
当たり前だよな。もう４ヶ月も地下病棟で働いてるんだから。

知らなくて当然だ。




　「院長、失礼します」


　「はぁーい」




院長室に入ると、院長はいつも通り、金魚に餌をあげていた。

院長の机の前に立って終わるのを待つ。
院長は椅子に座り、俺の顔をまじまじと見た。




　「疲れた顔してるね」


　「…もう慣れてました。最初はビビってましたけど。

　 それで…相談というのは？」


　「…あぁ、そうだった。君に聞きたいことがあるんだ。」


　「聞きたいことですか？」




この院長のことだ、答えずらい質問をしてくるんだろう。

少し覚悟をして院長の顔を見た。




　「君達看護師は…どれくらい患者の事を知っているのかね？

　 表面的にではなく。…具体的に」


　「…具体的に、というと…？」


　「…例えば…、」




次の瞬間、院長の口からは思ってもみない言葉が飛び出した。




　「…誰かが、…親を殺した、とか？」

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