第93話 吃驚仰天 ページ7
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伏黒「心霊スポットとかは学校とかと同じで呪いが吹き溜まりやすい。だから、高専関係者が定期的に巡回するんだ」
これまでの私達の行いに対する怒りが確実に蓄積されていたからこそなった容赦の無い頭部への打撃は、頭頂部の細胞達を死滅へ導いた。
漫画やアニメでよく見る立派なこぶが頭に生まれ出てしまっているのではと危ぶみ、涙目になって虎杖に確認を頼むも、それらしきものは見つからなかったようで、思わず安堵の息が漏れる。
伏黒「そん時は何ともなかったですね。有名っちゃ有名ですけど普通に使われてる橋ですし」
釘崎「でも行ってみるしかないわね」
虎杖の頭にも特に変化が無いことを確認し笑顔付きのグーサインを出してやっている間に話は進んでおり、野薔薇ちゃんの声に新田さんが頷いていたので、取り敢えず流れに沿うように私も同調しておく。
同調したとて、自 殺の名所でもあるらしいそこに自ら訪れるのは積極的になれない。が、これは任務であり何より人死にも出ているので早急に片付けなければならず、事件の鍵となる八十八橋へ向かうべく車に乗り込もうとすると、校務員さんが伏黒を呼び止めた。
武田「津美紀君は元気か?」
伏黒「……はい」
聞き慣れぬ名前にハテナを浮かべ、車のドアに掛けた手を顎に添え直して考えてみる。どうやら私以外のメンバーも知らないらしく首を傾げているが、名前からして女性であることに違いはなさそうだ…つまり、
虎杖「ツミキって誰?」
「…彼女か!?」
伏黒「…姉貴」
釘崎「はぁ!?アンタ自分の話しなさ過ぎじゃない!?」
鳴らした指の反動で伏黒を指すも、今日一の閃きは虚しく散って見当外れに終わり、名探偵への道はまだまだ遠く某国民的少年探偵の凄さが改めて身に沁みた。
お前と同じにするな、という声には耳を塞いで聞こえないフリをかまし、絶対に一人っ子だと思っていた伏黒の発言はこれまた衝撃的で。
たった数時間で伏黒周りのことを知る機会があり過ぎて何度も驚かされたので、今日からこの日を"伏黒デー"と命名しよう。新たな祝日の誕生だ。
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作者名:柊ひな | 作成日時:2021年2月26日 21時