第101話 招かれざる客 ページ15
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わざわざ三人も人員を割かなくて良かった単純で簡単な作業を、"一つ一つ穴を潰す"から私の刀で"纏めて一遍に潰す"雑作業に移行しつつ、後ろの二人に向かって口を開く。
「コレ二人で回せそうなら私が虎杖の加勢に…」
__油断し切った振り向き様、不意に結界外から伸びてきた"手"が野薔薇ちゃんを捕らえようとする刹那を認めた。
焦りから咄嗟に「野薔薇ちゃん!!」と名しか出てこず、声を張り上げて走り寄る。同様に異変に気付いた伏黒が彼女に手を伸ばすも思い虚しく宙を切り、
釘崎「問題ない。アンタらはモグラを叩け」
その言葉を最後に、腕を引っ張られた彼女は既視感のある飲み込まれ方をして完全に姿を消した。
様子からして結界主の呪霊でも、虎杖が相手取る呪霊でもない。予期せぬ新手パート2は対策する間も無く野薔薇ちゃんと消え、と思えば「なんだぁ?兄者かぁ??」と虎杖が相手していた呪霊が関係を仄めかして同じように結界から出て行ってしまった。
虎杖「逃げた!?放っておいていいのか?」
「次から次へと…!」
伏黒「そのまま追え!!予想以上に面倒くせぇのとバッティングしてるかもしんねぇ!!逆にコッチは想定よりずっと楽だ!!」
「二人でなんとかなる!!」と、私を勝手にカウントした伏黒が虎杖を促すので再度呪霊の出口潰しに専念して刀を振り下ろす。伏黒の判断は的確で且つ素早いので大変頼りになる。将来有望だ。
確かにあの野薔薇ちゃんでも一対二では分が悪いだろう。しかも、相手は"別件"という嫌な匂いを撒き散らしている二体だ。
それらを踏まえて虎杖を向かわせ、雑魚の相手は私達二人で早めに終わらせて結界外の二人を助太刀する…と。まぁ憶測だが、伏黒の考えはこんな所だろう。
伏黒「釘崎優先!!追え!!」
「頼んだぞ虎杖ぃ!!」
虎杖「……やばくなったら二人も出てこいよ…!!」
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作者名:柊ひな | 作成日時:2021年2月26日 21時