【呪術廻戦】呪われた世界の片隅で ２

第５５話 女って怖い ページ9

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真依「あら、落ちこぼれ過ぎて気付かなかったわ」

真希「落ちこぼれはお互い様だろ。お前だって物に呪力を篭めるばっかで術式もクソもねぇじゃねぇか」

真依「呪力が無いよりマシよ。上ばかり見てると首が痛くなるから、たまにはこうして下を見ないとね」



女同士、いや姉妹同士の喧嘩ほど厄介で怖いものはない。現にまだ拳銃を突き付けられたままなのだから余計に。

と思ったら、真希さんはハァ…と溜め息を吐いて私に目を向け「で、お前はいつまでそのまま何だよ」と。



真希「"幻"だろ、お前。早く出て来い」

真依「……何ですって？」

「ちょっと何で種明かしちゃうんですか…」



「これから驚かせようとしてたのに」と少々不貞腐れつつ、壁に背を預け座っていた"本当の私"の姿を見せ、拳銃を突き付けられている"幻の私"を消す。



「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン！」

真依「いつの間に…」

「んー…伏黒が飛ばされた時？ですかね。いやぁ、それにしても真希さんよく分かりましたね。驚き過ぎてくしゃみが出ちゃいそう」

真希「意味分かんねぇよ」



両手を広げて元気よく立ち上がるも、思っていたより滑ったようで。誤魔化すようにコホン、と咳払い。


倒れてる野薔薇ちゃんは流石に本物。幻術は私を"隠す"のと"見せる"ことの二つだけしか使っていない。

…この人が野薔薇ちゃんに抱き付いていなければ野薔薇ちゃんにも使えたのだけれど。



「良かったですね、一人は手応えがあって。二人とも"幻"じゃ先輩が滑稽過ぎますから」

真依「ビビって隠れてた芋が何抜かしてるのかしら」

「そんな芋に騙されてた気分はどうですか？ん？」

真希「バカ、煽るなっての…野薔薇！立てるか！？」



真希さんと違い、どうもこの人は好きになれない。大半は第一印象が最悪過ぎたせいだと思うけれど。

そんな澄ました人もまさか野薔薇ちゃんが起き上がるとは思わなかったのか、隙をついた野薔薇ちゃんに絞め技をされてる様は見ていて爽快だった。

…特訓の成果がこんな形となって現れるとは。



釘崎「おろしたてのジャージにばかすか穴空けやがって。テメェのその制服置いてけよ」

真依「次は体の穴増やしてやるわよ。あと、その足の長さじゃこれは着れないんじゃない？」

釘崎「……」

「(あ、キレたな)」


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