【呪術廻戦】呪われた世界の片隅で ２

番外編　・ ページ47

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同性同士ならいざ知らず、まさか異性に体重を聞かれる日が来るとは思っていなかった。


衛生観念だけでなくデリカシーまで欠けているとなると彼の先行きが酷く不安だが、彼の人並み以上の優しさと足して２で割ると、一個人としては丁度良いバランスになるのだろう。知らんけど。



虎杖「…Aってさぁー、伏黒のこと好きなの？」

「ブフッ！！へっ？な…ふふっ、なぜ？」

虎杖「だって、いっつも伏黒で遊んでるから」

「違う違う！だって伏黒弄るの楽しいじゃん。そっ、れを…ふ、すっ、きって、ぶはっ！やっばキツ…！」

虎杖「…そんな笑う？」



……一体あと何分、何時間この状態でいなければいけないのか、この空間に時計が無いため不明であるが、常日頃から時間という概念に触れている我々現代人からすれば、時間把握を容易に行えないのは些かハードではないだろうか。

元来、時計が無くとも空を見れば大まかな時の流れは掴めるものだが、此処は外的に遮断された空間なので私達にはそれすらも叶わないのである。


つまり私は、もし今『貴方が今一番欲しい物は何ですか？』と街角インタビューをされたら「時計です」と食い気味に答えるであろうと言う事を伝えたいのだ。


……いや待て。寧ろ時間を確認出来ないのは、時間という概念に支配され続けている我々現代人への当て付け、皮肉…？もしかしたら労いの意すらあるのでは、



「〜っ、い"っだぁ！？」

虎杖「何！？急にどした！？」

「なっ、んか、噛まれたような痛みが…」

虎杖「噛まっ、……あ"っ！！」



地の文と会話の温度差を抱えながら、"時間"について長々と語っていたら、思考を遮るかのように左脇腹辺りに途轍もない痛み＿＿正確に言えば、虎杖の右手の平が触れていた箇所に噛まれたような痛みが走ったのである。


混乱する私を他所に逸早く事態を察した虎杖がパッと両手を私から離し「お前…！！」と自身の手に怒り出したので、釣られるように虎杖の手を見れば「ケヒッ」と聞き覚えのある笑い声が。



虎杖「コイツ本当に…！急に何してんだよ！！」

宿儺「不愉快だった」

「動機が犯罪者！！」



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