【呪術廻戦】呪われた世界の片隅で ２

第８０話 名前について ページ34

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虎杖「この前"桜小路"が美味いっつってたサバの味噌煮風カルボナーラ仕立てのこんにゃくアイス！面白そうだから買ってきちゃった！！」

伏黒「"桜小路"、いい加減貸した本返せ。いつ貸したと思ったんだよ。もう一ヶ月経つぞ」


「苗字が長過ぎる＿＿ッ！！」



生まれた瞬間から立ち止まる事なく『桜小路A』として歩みを進めて来た私だが、"桜小路"という苗字は些か、いやかなり長くないか？と思い始めた某日。



伏黒「唐突に大声出すなよ。ボリュームと時間を考えろ」

虎杖「頭でも打ったんじゃねぇの？」

伏黒「頭は元からだろ」

虎杖「確かに」

「好き放題言ってんな一年男子コラ」



寮の男女共有スペースの広い所にわざわざ彼等を呼び出せば、早々にソファに腰掛けながら好き放題言いやがるので仁王立ちで苛立ちを露わにする。



「君らは呼ばれた理由を理解していないようだね」

虎杖「そりゃ心当たりねぇし…」

「はぁーっ！白々しいよこの子！！流石、宿儺の指を躊躇なく食えるだけあるわ」

虎杖「………伏黒、心当たりある？」

伏黒「ねぇよ。どうでも良いから早く解放しろ」

「へぇ〜？自分の犯した罪を理解出来ていない…と。酷いわぁ〜揃いも揃って何という体たらく！！」

「「……」」



今回呼び出したのは虎杖と伏黒の二名だけである。
つまり、彼等には共通点があるのだ。


…しかし二人は全くそれを理解しておらず、何の為の冒頭のやり取りだ！！と声を大にして言いたい…また伏黒に怒られるので止めておくが。

因みに、冒頭の二人の台詞は昨日の出来事である。



「君達さ、私のこと"桜小路"って苗字で呼ぶでしょ」

虎杖「うん」

「長い、長いよ。長過ぎるよ」

虎杖「へ？」

「私の苗字、長いのよ」



「「…だから？」」と言いたげな彼等を気に留めないで見下ろし、呆れるように溜め息を吐く。


何故、一年が三人も揃っているのに野薔薇ちゃんだけがいないのか…否、呼ばなかったのか。そこの所を考えれば秒で呼び出し理由を理解できる筈なのだが。

勿論、デキる女の私は理解力の著しく低下した彼等にも分かる説明をする為の準備を怠ってはいないので、



「＿＿＿はい、では早速こちらの先日私に交わされた言葉をご覧下さい」



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