【呪術廻戦】呪われた世界の片隅で ２

第６８話 ページ22

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加茂「呪いの戯言だ。耳を貸すな」

伏黒「…低級呪霊のソレとはレベルが違いますよ」

花御『森も空も海ももう我慢ならぬと泣いています。これ以上、人間との共存は不可能です』



特級だから、の一言で片付けてしまえばそれまでだけれど、どれだけ頼りになる仲間がいても勝てる算段が思い付かない現状に冷や汗が出る。



花御『彼等はただ"時間"を欲している』

伏黒「独自の言語体系を確立してるんです」

加茂「…狗巻を下がらせろ」

花御『"時間"さえあれば星はまた青く輝く』



『人間のいない"時間"』と、地鳴りと共に呪いの後ろから生える植物に愛らしさ等は微塵もなく、暑い日差しが嘘のようで、ひたすらに寒気がした。



花御『死して、賢者となりなさい』



出来ればこのまま話だけで時間を稼いでいたかったが、連絡手段と隙がない以上、それは無意味なのだと気付き苦笑する。


先輩の呪言で動きを止めるか、私の幻で目眩しをして動きを止める。その隙に攻撃をして距離を取る。

動きを止める術が二択あれど、防戦一方で今にも千切れそうな均衡を無理矢理繋ぐのは心身共に辛い訳で。



「…先輩、大丈夫ですか」

狗巻「しゃけ」

伏黒「お前は人の心配できる立場じゃねぇだろ…」



先輩の呪言は強い。それ故の反動も大きいが、特級を相手に大した言葉を使っていないのに、この中で誰よりも疲労している。


空間に映し出す幻を作るのは容易いけれど、特級相手に通じる幻となると、それ相応の精度にしなくてはならない。心做しか、自身の呼吸回数が多い気がする。



均衡が崩れる前に、帳外に出て先生達と合流。帳内でも誰かと合流さえ出来れば御の字…みんなは、今どうしているのだろう。無事だと良いけれど。



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