【呪術廻戦】呪われた世界の片隅で ２

第６３話 ページ17

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「そういや、先輩も交流会初参加ですよね。やっぱり緊張してるんですか？」

狗巻「いくら」

「あー分かります。私もそうですもん」

狗巻「…すじこ」

「やだカッコ良い！」

狗巻「ツナ」

「キャー！惚れそう〜！！」



狗巻先輩と談笑する傍ら、パンダ先輩に指示された通り呪霊狩りに勤しむ現在。二級の気配は無い。


初めは先輩の絞られ過ぎた語彙にかなり苦労したが、顔を合わせていくにつれ少しずつ分かるようになり、今では会話に生じる障害はほぼゼロだ。

周りから見ると中々シュールな会話だという自覚は、一応持ち合わせている。



狗巻「高菜」

「ん？…お、伏黒の式神じゃないですか！玉犬だったかな。なぁに〜わざわざ会いに来てくれたの〜？」

狗巻「こんぶ？」

「ホントですよねー。動物は無理なのに何で伏黒の式神は平気なんだろ…従順だからですかね？」



追いかけて来るように現れた玉犬は、機械の腕を咥えており、その手にはスマホが握られていた。


先輩にも聞かれたが、何を考えているのか行動が読めない動物は未だ好きになれない。でも玉犬は好きだ。

カテゴリ的には式神と区分されているし、先程も言った通り行動が読めない動物と比べ格段に従順だからだろうか。


話が逸れたが、あの腕とスマホは京都校の人(？)の物だろう。ならそのスマホと先輩の力を使えば…



狗巻「『眠れ』」

「わっ、仕事はや〜い」

狗巻「しゃけ」

「しゃけしゃけ」



スマホ越しに聞こえる寝息を確認すると通話を切り、玉犬に『戻れ』と命令を出す仕事の早い先輩。

真似をして「しゃけ」と言ってみたけれど、ぶっちゃけ先輩の能力は凄いので素直に尊敬する。


私も頑張らなくては、と気合を入れ直した瞬間、独特で嫌な呪いの気配を感じた。耳を澄ますと、足音がゆっくり此方に近付いて来ている。


腰の刀に手を伸ばし、先輩と共に構えて出方を探る。
木から顔を覗かせた呪霊が恐らくターゲットの二級。

だが、それにしては妙に…



「なっ…んだ、これ」



声が聞こえて、呪霊が祓われた。


犯人は、もう一体いた呪霊。

話しかけてきたのも同じくソイツだ。聞こえる音は言語不能だが言葉の意味は理解出来て気持ち悪い。


あの容姿…以前、五条先生が襲われたと言っていた特級呪霊に似ている。しかも呪詛師と組んでいるとか。


驚きで頭が上手く回らないが、いくら先輩が強くても
私達二人じゃ分が悪過ぎる事は良く分かる。


…どう考えても異常事態。最悪だ。


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