第60話 困らせるな、の意 ページ14
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「先程はお見苦しい所をお見せしてしまって申し訳ないねぇ、虎杖君。如何せん初体験だったもので」
虎杖「いや、いいよ。元はと言えば俺が悪いんだし」
「だっよねー!女子二人も泣かせたんだから」
伏黒「……」
久方振りに出た涙には私自身驚かされたけれど、時間が経てば乾き、なんやかんやでミーティングも虎杖参戦による多少の作戦変更はあったが、無事終わった。
ただ、開始前に少し心残りがあるというか、違和感が
あるというか…上手く言えないのだけれど、以前の彼
とは心なしか変わった様に見える。それが気がかりで。
「…辛くなったら私がしたみたいに抱き着いていいんだよ?言っちゃ何だけど、包容力には自信があるの」
虎杖「え"っ!?」
「リラックス効果もあるらしいよ」
虎杖「お、おぉ…?」
そう言って笑顔で手を広げて見せれば、分かりやすく虎杖は困った様にオロオロし出し、目で伏黒に助けを求めている。ははっ、ウケる。
そのSOSを貰った伏黒はというと、深く溜め息を吐いて私に近づいてきたと思えば頭を抑えつけてき…あっ力強い…ちょ、いた、
伏黒「…大丈夫か?」
虎杖「なんか大役っぽいけど、なんとかなんべ」
伏黒「そうじゃねぇ。何かあったろ」
虎杖「あ?なんもねーよっ」
伏黒の女にすべきでない行為は私が小さじ一杯分?調子に乗ったせいなのだと捉え自重するが、それにしても力加減がおかしい。直ぐ離してくれたから許すけども。
それに、折角私が遠回しに優しく触れた事を堂々と言いやがって…まぁ、いいや。大した事じゃないし。
笑って『何もない』と虎杖は言うけれど、嘘を吐いて
何かを誤魔化しているのは誰から見ても明白だった。
虎杖「……あった。けど、大丈夫なのは本当だよ。寧ろそのお陰で誰にも負けたくねーんだわ」
伏黒「…ならいい。俺も、割と負けたくない」
釘崎「何が割とよ!!一度ぶっ転がされてんのよ!?
圧勝!!コテンパンにしてやんのよ!!」
「もちろん!!真希さんのためにも!!」
真希「……そーいうのやめろ」
狗巻「明太子!!」
パンダ「そう!!真希のためにもな!!」
なんだかんだ素直で正直な所も、虎杖の良い所の一つかもしれない。そう思っていると、バラけていた東京校のメンバーが再度、全員揃った。
気合は十二分。
初めての交流会に胸を躍らせつつ、スタート地点に向かうべく私達、東京校は歩みを進めた。
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柊ひな(プロフ) - プスメラさん» ご期待に添えず申し訳ないのですが、本編では誰ともオチる予定はありません。ただ、番外編や(私に余裕があれば)if短編などのアナザーストーリー的なのを書きたいとは思っているので、そちらで楽しんで頂ければ幸いです。 (2021年2月9日 22時) (レス) id: 35fb09d0e3 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラ - 柊ひなさん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願いします。続き頑張って下さい。応援してます。楽しみにしてます。 (2021年2月8日 14時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - カウさん» 面白い人間になることが最終目標の私にとって最高の褒め言葉です!!ありがとうございます(泣) (2020年10月28日 19時) (レス) id: 5c8d05c4fc (このIDを非表示/違反報告)
カウ(プロフ) - 最新話のおかか連呼と夢主ちゃんの薬キメてんなで吹きましたw更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2020年10月28日 0時) (レス) id: a33c51ed41 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - れさん» ありがとうございます!!「うるさいしウザいけどどこか憎めない」を目指していたのですが「ただただ鬱陶しい奴」になってしまったと後悔していたので、そう言って頂けると嬉しいです!笑 (2020年10月23日 17時) (レス) id: d3c3307496 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2020年9月28日 20時