第46話 場合によっては起訴 ページ48
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要は、私は五条先生のお祖父さんをダルマにし多くの術師を葬った呪霊、基、悪行を連ねたクソ過ぎる呪詛師のそっくりさん。だということ。
悪行云々は今適当に言ったけれど、呪詛師と呼ばれるくらいなのだから悪事を働いたに違いない。
「…術師になるのを反対された理由がこれですか」
父は、ただ私を危ない目に合わせたくなくて『術師になるな』と口酸っぱく言っていたのかと思った。
でも父も、祖母も、七海さんも、全てを知っていて、
だから私をこの世界から遠ざけたかったのだろう。
呪術界のトップが、昔とはいえこの事件を知らない訳がない。そこに、そのクソ野郎の血を引き同じ術式を使う奴が現れた…気味が悪いにも程があるだろう。
もし同じような事件でも起こされたら、そう考える人がいてもおかしくない。私がこちらに来た時点で少なからず上からの圧力はあった筈だ。
役に立てると思っていたのに。
迷惑を掛けないで済むと思っていたのに。
此処まで来ても結局はこれか。
五条「まぁ、それもそうなんだけど….Aはその位強かった人の血を濃く引いてるんだから、結論が死に至るのは足早なんじゃない?」
「……虎杖は死んだのに?」
自分でも、皮肉を言ってしまった自覚はある。
面倒臭くて困らせる事を言ってしまった自覚もある。
両面宿儺を身体に宿した善人の虎杖は死んで、悪人の生まれ変わりとも言える私は何も為せていないまま今を生きている。
この違いは、一体何だ。
やはり困らせてしまったのか珍しく妙な間が空いたので先生を見つめていると、無言で身を乗り出して、
五条「……」
「…い"っ、急に何するんですか!!」
五条「よそはよそ!うちはうち!!」
「はぁ?」
デコピンをしてきた。
突拍子の無い事だったので困惑しながらおでこを抑える。大声を出したせいか周りの目が痛い。この疎外感の理由なら分かる。一般的なアレだ。
五条「恵によくちょっかい掛けて怒らせてるのは誰!」
「…………私?」
五条「野薔薇の事故画を待ち受けにしようとして怒らせたのは!?」
「……ん?」
五条「真希に特級呪具渡した時、体験談話したら割とガチで引かれたのは!?」
「待って何で知ってるんですか」
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ばる - えー覚えてくださってるんですか!ありがとうございます(^ ^*)少しでも作者さんの励みになっているなら嬉しい限りですよ(*´ω`*) (2020年7月28日 20時) (レス) id: b61d069a33 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ばるさん» 見覚えのあるお名前と顔文字だと思ったらどちらも読んで頂いてるなんて…!!コメントとても嬉しいです!ありがとうございます。誠心誠意更新していくので宜しくお願いします! (2020年7月27日 17時) (レス) id: 619558bbc0 (このIDを非表示/違反報告)
ばる - 作者さんの別作品(銀/魂)も読ませていただいている者です。呪/術/廻/戦もすごく好きな漫画なので嬉しいです!どちらの作品も楽しみに待ってます(*^^*) (2020年7月26日 11時) (レス) id: b61d069a33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2020年5月18日 23時