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第29話 拭えぬ違和感 ページ31

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虎杖がこの場に唯一いない状況で、"生得領域から脱出する"と聞いた時に嫌な予感はしていた。


まあ、その予感は見事的中したのだけれど。



伏黒「避難区域を10kmまで広げてください」

伊地知「伏黒君と桜小路さんは?」

伏黒「残ります」



私と野薔薇ちゃんと別れた直後に特級呪霊と会敵した事、虎杖が宿儺と代わるには私達が領域外にいなければいけない事、それまでの間、彼は特級相手に片腕で時間を稼いでいる事。


伏黒から経緯を聞き、また虎杖に助けられるのか、と
申し訳ない気持ちと不甲斐なさでいっぱいになる。


脱出後、伏黒は虎杖に伝わるよう玉犬の遠吠えで合図をし、気を失いかけてる野薔薇ちゃんは乗ってきた車に預ける。



伏黒「もしもの時、俺にはアイツを始末する責任があります」

「私も伏黒と一緒に残ります」

伏黒「オイ…!」

「責任だったら私にもあるっつーの」



私情を挟んだのは、彼だけではない。

それを聞いた伊地知さんは特に言及する事もなく、ハンドルを握った。



伊地知「釘崎さんを病院へ送り届けたら、私もなるべく早く戻ります」

伏黒「いや、もう伊地知さんはいてもあんまり意味ないので、戻って来る時は一級以上の術師と一緒にお願いします」

「野薔薇ちゃんのことお願いします。あの……いや、すみません。やっぱなんでもないです」



伏黒の言葉という名の棘が伊地知さんに刺さったようにも見えたけれど、気のせいだったのか「お気を付けて」と私達に声を掛け、その場を去った。


言いかけた言葉はただの私の憶測に過ぎないし、病院到着が遅れてまでする事ではないと判断した。



……呪術師に歳は関係ないが、高専に入学して一ヶ月程しか経っていない成り立て一年生の私達が、緊急事態とはいえ"特級"と予想される呪霊のいる任務など任されるだろうか。


一般常識はこの世界では通用しないけれど…もしかしたら、異例中の異例である虎杖という存在を保守的な上層部の人間が消そうとしているのではないか。



突拍子もない可笑しな事を考えている自覚はあるけれど、それでも喉元に巻き付いた違和感が消えることはなかった。



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第30話 数千年越しの挨拶→←第28話 大容量カエルくん



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ばる - えー覚えてくださってるんですか!ありがとうございます(^ ^*)少しでも作者さんの励みになっているなら嬉しい限りですよ(*´ω`*) (2020年7月28日 20時) (レス) id: b61d069a33 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ばるさん» 見覚えのあるお名前と顔文字だと思ったらどちらも読んで頂いてるなんて…!!コメントとても嬉しいです!ありがとうございます。誠心誠意更新していくので宜しくお願いします! (2020年7月27日 17時) (レス) id: 619558bbc0 (このIDを非表示/違反報告)
ばる - 作者さんの別作品(銀/魂)も読ませていただいている者です。呪/術/廻/戦もすごく好きな漫画なので嬉しいです!どちらの作品も楽しみに待ってます(*^^*) (2020年7月26日 11時) (レス) id: b61d069a33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柊ひな | 作成日時:2020年5月18日 23時

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