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第26話 一番の恐怖は順応 ページ28

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入り口から暫く奥に進んで行くと、広い所に出た。

目の前には、かつて人だったモノが赤黒いそれを流しながら倒れており、そこから漂う刺激に思わず顔を歪める。


酷過ぎる惨状を見て、普通の人なら気を失うかよくて失禁ものだろうな、と冷静に考えてる自分はやはりイカれてる。

…いや、何度目かになる"死"が目の前に確かにあるのに、何も感じる事の出来ない私は"イカれてる"の一言で片付けていいのだろうか。



「三人…ってことでいいのかな」

虎杖「…この遺体持って帰る」

釘崎「え?」

虎杖「顔はそんなにやられてない」

釘崎「でもっ…」

虎杖「遺体もなしで『死にました』じゃ納得できねぇだろ」



そう言って、この中で唯一綺麗と言える下半身の無い遺体に触れる虎杖と、躊躇無い彼の姿に言い淀む野薔薇ちゃん。

そんないつもの覇気がない、戸惑っている彼女の横を通り過ぎて、伏黒が虎杖を強引に引っ張って止めた。



伏黒「あと二人の生死を確認しなきゃならん。その遺体は置いてけ」

虎杖「振り返れば来た道がなくなってる。後で戻る余裕はねぇだろ」

伏黒「『後にしろ』じゃねぇ、『置いてけ』っつったんだ」



伏黒の言いたい事は分かる。だが虎杖がそれであっさり引く筈もなく、互いに胸倉を掴んで口論になる。

男なのだから喧嘩はご自由にどうぞ、と言いたいところだが、なにせ今は場所が場所である。どちらも引く気がないのは分かり切っている為、必然的に私達が止めに入らなければならない。



伏黒「オマエは大勢の人間を助け正しい死に導くことに拘ってるな。だが自分が助けた人間が将来人を殺したらどうする」

虎杖「じゃあなんで俺は助けたんだよ!!」

釘崎「いい加減にしろ!!時と場所をわきま__」

「や、落ち…っ、!」

釘崎「は?ちょっ…!」



刹那、足元の床に開いた穴。


重力に逆らえず落ちる私は、折角喧嘩を止めてくれそうだった野薔薇ちゃんを道連れにして落ちてしまったのだった。



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第27話 無言の圧→←第25話 雨下



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ばる - えー覚えてくださってるんですか!ありがとうございます(^ ^*)少しでも作者さんの励みになっているなら嬉しい限りですよ(*´ω`*) (2020年7月28日 20時) (レス) id: b61d069a33 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ばるさん» 見覚えのあるお名前と顔文字だと思ったらどちらも読んで頂いてるなんて…!!コメントとても嬉しいです!ありがとうございます。誠心誠意更新していくので宜しくお願いします! (2020年7月27日 17時) (レス) id: 619558bbc0 (このIDを非表示/違反報告)
ばる - 作者さんの別作品(銀/魂)も読ませていただいている者です。呪/術/廻/戦もすごく好きな漫画なので嬉しいです!どちらの作品も楽しみに待ってます(*^^*) (2020年7月26日 11時) (レス) id: b61d069a33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柊ひな | 作成日時:2020年5月18日 23時

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