【銀魂】今日もお江戸は平和です ５

第二百二十九訓 ページ43

坂田side



初めて会った日に変わった目の色や痣の出たアイツを見た時、驚きこそしたが興味を持つ程のことでもなかった。

天人なんていう異人がふんぞりかえっている御時世、一々そんなことに反応してたらキリがない。


だが吉原で鳳仙が、アイツが何か"特別な者"と匂わせるような、最近の若い女みたいな匂わせ方をしていたので、少し気になってしまった。

一度気になるとそれが何なのか知りたくなってしまうのが俺という生き物で、下手に隠されると尚更。



「話長いですよ。つまらなくて途中で寝るかも」

坂田「安心しろ、今は全く眠くねェ。寧ろ冴えてる」

「…私、自分語りする女って嫌いなんですよね」

坂田「それはお前の好みの問題」



誤魔化しているのか何なのか、簡単な話では無いことは様子から伝わってくるが「俺は気にならねェからさっさとゲロれよ」と急かすと、若干躊躇いながらも渋々口を開いた。



「簡単に言ってしまえば、呪いです」

坂田「呪いィ？」

「分かりやすく言えば。厳密には違いますけど」



これで満足か？と言いたげにこっちを見るAに「その厳密にが聞きてーんだけど」と零せば溜め息を吐いて「言うと思いました」と。


溜め息を吐かれる理由が分からない。というか今の説明じゃめちゃくちゃ話短いじゃねーか。この説明だけで物足りなさを感じるのは、きっと俺だけではない。



「＿＿私が近藤さん達と出会う前…ある村に住んでたんですけど、その村では何百年も昔にいたとされる鬼を神として祀っていたんです」



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