第二百二十二訓 ページ36
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前だけ見てろ、と手をヒラヒラさせる旦那を少し気に留めつつ鳳仙を見る。そこには、クナイが何本も刺さりながら尚、威厳を放つ夜王がいた。
鳳仙「大人しく我が鎖に繋がっておれば生かしてやったものを!まさか一度は天人に消された残り火から飛び火をもらおうとは。火種は消さねばならない、その鈍く光る光を!!」
その様に数人が怖気付くも、負けじと月詠さんが短刀を構える。だがそれを「待て」と、俺だけで充分だと言って旦那が止めた。
鳳仙「武士道とやらか、殊勝なことだな。己一人の命を捧げて女達の免罪を乞おうというのか。無駄だ、貴様がおわれば次は女達だ!!」
坂田「消させやしねーさ、もう誰も。たとえか細いろうそくの火でも集まりゃ闇も照らせる。お前にゃ、俺の火は消さねーよ。
俺にゃとっておきの火種があるんだ。絶対に消えねェ
突如、吉原全体が激しく揺れた。
轟音と共に外の天井に蔓延るパイプが崩れ、常夜の街に、人工的でなはい光が差し込む。
坂田「お前なんぞに、この
鳳仙「これは、この光は…!!まさか…!!」
地下にいては絶対お目にかかれない、正真正銘、太陽の光。鉛色の冷たい空に、温かい太陽が差した瞬間だった。
夜兎は陽の光に弱い。それも、何年も地下に籠もって陽の光を浴びないでいた夜兎相手なら効果は絶大だ。
陽の光で弱りきった鳳仙に旦那が最後の一撃を加える。屋根へと落ちた鳳仙は、もう起き上がらない。
遂に吉原から、夜王の鎖を焼き切ったのだ。
敗れたにも関わらず、穏やかな表情の鳳仙の元へ日輪さんが近付いて行く。
そんな何故か彼女は目から涙を零して、そんな彼女に最後を見送られながら鳳仙は眠りについた。
もしかしたら、彼は根っからの悪ではなかったのかもしれない。と、そこまで思って考えるのをやめた。
柄にも無い事を言いそうになった。きっとまだ毒が体に残っているのだろう。
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凛音 - みんな春雨春雨言うからチャプチェ食べたくなってきた((( (2022年3月22日 15時) (レス) @page12 id: 7001d6b560 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - なのはさん» 本当に更新しないですよね、、、いやすみません。亀でごめんなさい。続編ではもっと更新早くしますので、、! (2020年4月23日 0時) (レス) id: a37c2613c3 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新しないのですか?楽しみです! (2020年4月17日 0時) (レス) id: 122a982782 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ばるさん» わざわざご丁寧な説明ありがとうございます!登場してもちょろっとしか夜兎の皆さんが出ていないのでこれから出していけたらいいなあ…と思っております笑 (2020年3月31日 13時) (レス) id: a37c2613c3 (このIDを非表示/違反報告)
ばる - 確認したところ変わってしまっていますね(-_-;)これからはこちらのiDになると思います!こちらのiDからも変わらず応援していきますね!!遂に夜兎の登場(o_o)楽しみです!! (2019年11月29日 12時) (レス) id: b61d069a33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年10月23日 20時