【銀魂】今日もお江戸は平和です 2

第八十四訓 ページ37

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セレブの家というのはどこもこうなのか、とてつもなく広かった。こんなに広ければ掃除をするのが大変そうだな、と何人かはいるであろう使用人の方に同情しつつ皆の後について行く。同じような景色ばかり並んでいるので迷子になりそうだ。


何分か歩き、中からガヤガヤと声のする方向に進んで行って扉を開けると、上から卵かけご飯が飛んできて神楽ちゃんの頭に零れた。

急な攻撃に驚かされたが無理もない。扉を開けた途端に卵かけご飯が飛んでくるなんて誰も思わない。柳生家では卵かけご飯を投げる修行でもしているのだろうか。



「オイ、チャイナ。股から卵がたれてるぜィ。排卵日か？」

　

開口一番、年頃の女子に向かって失礼極まりない言葉を述べた総悟を、神楽ちゃんが思い切り投げ飛ばす。

今のは確実に総悟が悪い。

神楽ちゃんを慰めながら総悟が投げ飛ばされた方に視線を向けると、カチャッと総悟に向けらる3本の刀。



「いやァ、よく来てくれましたね道場破りさん。天下の柳生流にたった七人で乗り込んでくるとは…いやはや、大した度胸。しかし快進撃もこれまで。我ら柳生家の天下を司る…」

「北大路 斎」

「南戸 粋」

「西野 掴」

「東城 歩。柳生四天王に対峙したからにはここから生きて出られると思いますな」



ご丁寧に自己紹介までしてくれる四人だが、覚える気は無いのでスルー。そんな建前はいらないから早いとこ大将を出せ、といつもの調子を崩さず旦那が四人の中でリーダー的な立ち位置の人に話しかける。


ナメた口調で話しかけられても動じない所はさすがセレブと感心していると、こっちには人質がいるんだと脅され、得物を捨てろとの脅迫。


渋々、一応言うことは聞かねばと思い、私を含めた各々が武器を総悟に向かって殺す勢いでぶん投げると「ぎゃああああ！！」と悲鳴を上げる四天王。

予想していなかった捨て方だったのか、「人質が見えねーのか！！」と捲し立てる様に怒ってきた。



「残念ながらそいつに人質の価値はねェ」

「そいつは女の敵だ。原型をとどめることなく切り刻んじゃって下さい」

「殺せヨ〜殺せヨ〜」

「てめーらあとで覚えてろィ」



日頃の恨みと先程の失礼発言もあってか、暴言を吐く土方さんと私と神楽ちゃん。普段から人に優しくしないからこうなるのだ。

彼の"あとで"程怖いものはないが、今だけはそのことを忘れ、総悟を上から見下ろす形で軽く悦に浸っていると、私達が入ってきた方とは反対側の扉が開いた。



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