【銀魂】今日もお江戸は平和です 2

第八十三訓 ページ36

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「俺も我ァ通しに来ただけだ。柳生には借りがある。そいつを返しに来ただけさ。因みに今日は仕事休みだし、そこんとこも心配いらねェ」

「私も我を通しに来ただけです。いつも笑顔の妙ちゃんにあんな顔をさせた柳生を一発ぶっ叩こうかと思いまして。因みに仕事はありましたが山崎に押し付けて来ました」

「近藤さん、俺も我ァ通しに来ただけでさァ。このままいけばゴリラを姐さんと呼ばなきゃいけなくなる。因みに今日はバリバリ仕事でしたがサボって来ました」

「オメーはホントに我だな！！」



土方さんの真似をしながら喋る私達に、近藤さんから鋭いツッコミが入る。ツッコまれたのは総悟だけだったけれど。

そんないつもの茶番に入りかけた時、新八くんが旦那に「僕は、もうシスコンと呼ばれてもいいです」と。



「僕は姉上が大好きですよ。離れるのはイヤだ。できる事ならずっと一緒にいたいです。でもねェ…

姉上が心底惚れて連れてきた男なら、例えそれが万年金欠のうさん臭い天パでも、ゴリラのストーカーでも、マヨラーでも、ドSでも、マダオでも、痔でも、姉上が幸せになれるなら、誰だって構やしないんです。

泣きながら赤飯炊く覚悟はもうできてるんだ…僕は、仕方ないでしょ、泣いても…そりゃ泣きますよ。

でも、泣いてる姉上を見送るなんてマネは、まっぴら御免こうむります。僕は姉上にはいつも笑っていてほしいんです。それが、姉弟でしょ」



彼の、姉を想う気持ちは物凄く伝わってきて。震える声音で言うものだから、純粋に、妙ちゃんは愛されているのだと感じた。

私も、あんな風に＿＿



「新八覚えとけよ、俺達は正義の味方でもてめーのネーちゃんの味方でもねェよ。てめーの味方だ」



涙を零した彼を尻目に屋敷に向かって歩く旦那と神楽ちゃんの後に続き、私達も後を追う。



「言っておくが俺は味方じゃねェぞ。たまたま喧嘩相手が同じだっただけだ」

「ベタじゃない？ベジータ気取りでさァ。あのままさり気なく仲間になるつもりだぜ、気をつけな」

「アレ後で思い出して時、叫んで後悔するパターンだよ。新八くんは恥ずかしげもなくあんな事言える大人になっちゃダメだよ、大人になって後悔するんだから」



新八くんに、それぞれが言い残して進む。

相性はクソ程悪いが、この七人なら天下の柳生にも勝てるかもしれない。確証がある訳ではないが、そんな気がした。



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