【銀魂】今日もお江戸は平和です 2

第九十四訓 ページ47

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柳生家であった勝負の数日後、近藤さんとバブルス王女の結婚式が執り行われていた。


大きな出来事だったので近藤さんの見合い話なんか頭の隅に行きほぼ忘れていた方が多いと思うのだが、今思い出して頂けただろうか。



「新郎新婦の入場です！」



明るい司会の声が聞こえると入って来たのは近藤さんとバブルス王女。拍手喝采が響く中、本来ならば幸せであるはずの結婚式のこの場で近藤さんの顔にはそれが見られない。



「この披露宴はただの顔見せみたいなもんでねェ、この後王女の星で正式な婚礼をあげれば近藤さんもはれてゴリラの仲間入り…もう帰ってきません」

「一生のお願いです旦那。ブチ壊すなら今夜しかないんです」

「ブチ壊すって、最初からこの披露宴壊れてるだろ。ゴリラだらけだもの。最初から壊れてるもんを壊すなんてさすがの俺にもできねーよ。ゴリラだらけだもの」



総悟と私が割とガチに頼むが、首を縦に振ってはくれない旦那。私達が動けるならとっくに行動に移しているが、なにせこの結婚はとっつぁんが動いてる。あの人に逆らえば真選組は消されるかもしれないのだ。



「それでは夫婦初めての共同作業に移らせて貰います」



日本語を話すこの司会者はこの式を見ても何も感じないのだろうか。それとも慣れてしまっているのか、どちらにしろ恐ろしいメンタルの持ち主なことに変わりはない。


夫婦の共同作業と言えば私はてっきりケーキ入刀のことだと思っていたのだが、猩猩星のゴリラ達は違うようで、運ばれてきたのは大きなダブルベッド。

共同作業ってそっち？ケーキじゃなくてバナナ入刀？と疑問は尽きないが、こんな汚い絵面を神楽ちゃんに見せる訳にはいかず、神楽ちゃんの目を手で隠す。


立ち尽くす近藤さんを王女が放り投げたその時、薙刀が飛び、それが服に引っかかり壁にくっ付く近藤さん。その視線の先には妙ちゃんがいた。


思いもよらない人物の登場に、式をブチ壊されて怒るゴリラ達を泣きながら喜ぶ真選組が食い止める。



「近藤ォォォ！！てめっ、ホレた女がいるなら何故俺に言わねェ！！年寄りが余計なことしちまったぜ…幸せになりな！！」



意外にもとっつぁんが呆気なく引いてくれたのに驚きつつ神楽ちゃんの目から手を離す。あと少し妙ちゃんが来るのが遅かったらどうなっていたことやら…想像はしたくない。



「てんめェェェ何してくれてんだァァァァ！！
私のおっ…」



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