【銀魂】今日もお江戸は平和です

第十一訓 ページ12

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「なるほどねェ…上二人と比べて随分と真面目な奴じゃねーか」

「上が使えないと下が良くなるって言うでしょう？」



場所は変わって此処は彼の家の中。なんやかんやあってらお邪魔することになった。



「ところで白髪頭さん、」

「白髪じゃねェ、これは銀髪だ」

「じゃあ、銀髪さん」

「人の髪の色を渾名にすんな。俺ァ坂田銀時だ」

「じゃあ旦那で」

「名前では呼んでくんないのね」



文句を垂れつつ、シュークリームを食べる旦那。ここで今全部食べるのだろうか。…私も食べたい。そんな気持ちを察知したのか、箱を隠し「やらねェぞ」と鋭い目で伝えてくる。



「お前、名前は」

「異性を家に連れ込んで、その後に名前を聞いてくるなんて順番逆じゃないですか？旦那モテないでしょ」

「失礼な奴だなお前！順番逆でもモテてる奴がいるかもしれねーだろーが！！」

「中嶌Aです」



そう言って頭を下げると「真面目だと思った俺がバカだった…」と、溜め息を吐く。溜め息を吐いてたら幸せが逃げますよ、とは言わない。キレられた面倒だし、ここは話を変えよう。



「旦那って、桂小太郎とは知り合いなんですか？」



率直な疑問を述べると、昔からの腐れ縁だと答えられた。なら旦那も攘夷志士なのかと疑うように問えば、「それは違う」と早々に否定された。



「まァ、もし旦那が攘夷志士なら私斬らなきゃいけないんですけどね」

「だから違ェって言ってんだろ」

「そんなの私には分からないじゃないですか。旦那が嘘を吐いてたら、なんて事もあり得るでしょう？」

「疑い深い奴だな、お前モテねーだろ」

「残念、これがモテるんだなー」



「そこらの女よりは頭の一つや二つ余裕で抜けてるでしょ」と、頰に手を当てドヤ顔で言えば、旦那はケッと毒突いてきた。



「外見しか見てない連中だけだろ。中身が可愛くねェならモテないのと同じだよ。どうせお前に本当の愛は訪れねーんだよ」

「爛れた恋しかしたことなさそうな人に言われたくありません」

「誰が斎藤工だ！」

「誰も言ってねーよそんなこと」



斎藤工に謝れ。



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