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「僕は福良。よろしくね」
「三倉、です。三倉A」
話を聞いてみると、ふくらさんも人数合わせで無理やりだったようだ。
同じですね、なんて笑うと、ほんとだ、おそろい。なんて笑う。
嗚呼、この人はずるい。
私はこの人に全てを奪われている。
ふくらさんが指を回せば目を回すだろう。
どんちゃん騒ぎのすぐそばで、志都かなひとときが流れる。
男性「三倉ちゃん飲んでる？もっと飲みなよ」
隣に来た男性が私のコップにビールを注ぐ。
その間にふくらさんは着飾った美しい女性に捕まってしまった。
困ったな、私お酒はあまり得意じゃないんだけど。
けど陽キャ代表みたいなひとに反発できるほどの勇気はない。
少し億劫になりながらもそのビールを飲み干した。
ぐらりと頭が揺れる。
体温が少しずつ上昇してきた。
女性「ヒロくーん、こっちこっち〜」
男性「はーい」
ヒロくん、と呼ばれた男性は女性に呼ばれて別なテーブルに移動する。
「三倉さん...？」
「...はぃ...」
「...少し、夜風に当たりませんか」
ふくらさんは私に手を貸して喧騒から逃れてベランダのようなところに出る。
「お酒、弱いなら断ればいいのに」
「...そうですねー...」
にこりと微笑むふくらさん。
お酒のせいかいつもの数倍の音で心臓が跳ねる。
ふくらさんへの想いが、空気のボンベに繋いだ風船のようにふくらんでいく。
「...でも」
「？」
酒の勢いだ、と勘違いしてはくれないだろうか。
「ふくらさんのことが好きなので、晩酌に付き合える程度にはしたかったですね」
赤い顔を冷たい空気にさらしながら、月を眺めて呟いた。
「...晩酌じゃなくても、付き合ってほしいな」
「...それは」
「僕と付き合う、なんてダメ？」
あぁ、ふくらさんへの思いが破裂してしまう。
「ふくらさんの気持ちをどれくらいふくらませられるかなんて、わかりませんよ」
「大丈夫、この数年でとっくにふくらみきってるから」
ふくらむふくらさんへの想い。
ふくらむふくら、なんて言ったら笑ってくれる？
*
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あむ - これ弾いたことがあって印象に残った一曲だったので……もしやと思い！ (2019年10月31日 23時) (
レス) id: f3e7d915f1 (このIDを非表示/違反報告)
あむ - そうです！私も吹部所属してます！！ (2019年10月28日 14時) (レス) id: f3e7d915f1 (このIDを非表示/違反報告)
やまうみ。 - あむさん» バレましたか...とはいっても演奏したことはなくて。凄いですね。題名だけ少しいただいて、後は適当に書かせていただきました← お詳しいんですね (2019年10月26日 8時) (レス) id: e8e6962fde (このIDを非表示/違反報告)
あむ - 星の船……Star ship かと思って…… (2019年10月25日 20時) (レス) id: f3e7d915f1 (このIDを非表示/違反報告)
やまうみ。 - あむさん» 勘違いじゃないですよ、僕は以前吹奏楽部に所属していました。まあ訳あってやめたんですが。詳しいのは「インディゴの波に呑まれて」という作品の穴埋めで少し語らせていただいています。もしかしてあむさんも吹奏楽所属なのですかね？ (2019年10月25日 17時) (レス) id: e8e6962fde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やまうみ。 x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2019年9月2日 6時
