検索窓
今日:7 hit、昨日:16 hit、合計:216,319 hit

ページ6

(長いですね(白目))



母「どうする?別行動にする?」

お母さんがそう聞いてくるときは、お母さんがそうしたいとき。

「別行動でいいですよ。黒崎さんは」

「いいですよ。河村さんもいますし、携帯もありますし」

それには河村さんも気付いている。

だから私たちは承諾する。

流されてではない、断じて。



まあそんなわけで街中に二人取り残される。

なんと一人二万円を託された。

これで何を買えと言うのだろうか。

人がごった返すような都会では、いつ迷子になってもおかしくない。

「お手をどうぞ」

河村さんは右手を差し出してくれた。

私はその手を取る。

とった瞬間に、心臓が高鳴る。

この高鳴りの名前を、私はまだ知らない。



「...少し、買い物をしてくるのでここで待っていてください。すぐ戻ります」

河村さんは急にそう言って人混みのなかに消える。

私は大人しく壁に背を預けて河村さんを待った。

mb「あれ?お姉さん1人?」

「?いいえ」

mb「嘘嘘、1人でしょ?」

「あぁ、今待っててと言われたので。もうすぐ帰ってきますよ」

mb「彼氏?」

「...彼氏ではないですね」

mb「じゃあ俺と遊ぼ?きっと楽しいよ」

男の腕が私に伸びる。

どうしよう、逃げたら河村さん私のこと見つけられないよな。

けれど逃げなきゃ捕まっちゃうし。

思案したまま動けずにいたそのとき。

「黒崎さん、お待たせしました」

「...河村さん」

mb「え?弱そー...俺の方が楽しいよ?」

「行きましょう、河村さん」

mb「おいおい、待ってよ。彼氏じゃないならいいじゃんか」

「彼氏ですよ」

「え?」

「黒崎さんは僕の彼女です。手を出さないでください」

河村さんが言っていることが、よくわからなかった。

ただ、私の脳をおいてけぼりにしたままそれを理解した心臓は激しく鳴る。

mb「証明できんのか?無理だろ」

「出来ますよ」

「へ_」

気付いたときには、私の唇は奪われていた。

「これでいいですか。急いでいるんです」



私の手を強く引いた河村さんは、どこか適当な喫茶店に入ると息を吐いた。

「なにもされていませんか」

「は、はい」

「すいません、突然。あんなことを」

所謂キスのことを言っているのだろう。

「いえ、助けてくれたんですよね。ありがとうございました」

「嫌でしたか?」

「...嫌、では」

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (119 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
498人がお気に入り
設定タグ:QK , QuizKnock , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あむ - これ弾いたことがあって印象に残った一曲だったので……もしやと思い! (2019年10月31日 23時) (レス) id: f3e7d915f1 (このIDを非表示/違反報告)
あむ - そうです!私も吹部所属してます!! (2019年10月28日 14時) (レス) id: f3e7d915f1 (このIDを非表示/違反報告)
やまうみ。 - あむさん» バレましたか...とはいっても演奏したことはなくて。凄いですね。題名だけ少しいただいて、後は適当に書かせていただきました← お詳しいんですね (2019年10月26日 8時) (レス) id: e8e6962fde (このIDを非表示/違反報告)
あむ - 星の船……Star ship かと思って…… (2019年10月25日 20時) (レス) id: f3e7d915f1 (このIDを非表示/違反報告)
やまうみ。 - あむさん» 勘違いじゃないですよ、僕は以前吹奏楽部に所属していました。まあ訳あってやめたんですが。詳しいのは「インディゴの波に呑まれて」という作品の穴埋めで少し語らせていただいています。もしかしてあむさんも吹奏楽所属なのですかね? (2019年10月25日 17時) (レス) id: e8e6962fde (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:やまうみ。 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2019年9月2日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。