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自分の奢りでお代を払ったあと、適当に歩こうと言う彼女の提案でしばらく進む。
「あー、美味しかったですね。お金、本当にごめんなさい」
「いいんです。払いたい気分だったので」
この人が本当に僕を好きなら。
本当に好き、なら。
「そういえばこの間_」
楽しそうに笑う姿、言う言葉。
違う、自分が確かめたいのは、この人が僕を好きなのかじゃなくて、この人を僕が好きなのか。
「美作さんは」
「はい」
「相手のことを本当に好きか確かめるのにはどうしますか?」
「うーん...取り敢えずは会話ですけど、最終手段は...」
彼女は言葉を切ると、人気のない公園へと手を引いた。
無理矢理に僕をベンチに座らせると、静かに口づけをした。
「こうして、どきどきするかどうかですね」
ほら、と彼女は僕の手をとり首筋に当てる。
彼女の鼓動は驚くほど早くなっている。
「河村さんは、どうですか?」
少しだけ冷えた指先が、頸動脈に触れた。
「ふふっ...どきどき、してますね」
この感情は本当に恋なのか。
ただ。
「こっちに来てください」
もう一度口づけをしたくなるくらいには。
「ほら、美作さんのほうが、どきどき」
好きになのかもしれない。
行動力の鬼は、もしかしたら一人だけじゃないのかも。
*
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あむ - これ弾いたことがあって印象に残った一曲だったので……もしやと思い! (2019年10月31日 23時) (レス) id: f3e7d915f1 (このIDを非表示/違反報告)
あむ - そうです!私も吹部所属してます!! (2019年10月28日 14時) (レス) id: f3e7d915f1 (このIDを非表示/違反報告)
やまうみ。 - あむさん» バレましたか...とはいっても演奏したことはなくて。凄いですね。題名だけ少しいただいて、後は適当に書かせていただきました← お詳しいんですね (2019年10月26日 8時) (レス) id: e8e6962fde (このIDを非表示/違反報告)
あむ - 星の船……Star ship かと思って…… (2019年10月25日 20時) (レス) id: f3e7d915f1 (このIDを非表示/違反報告)
やまうみ。 - あむさん» 勘違いじゃないですよ、僕は以前吹奏楽部に所属していました。まあ訳あってやめたんですが。詳しいのは「インディゴの波に呑まれて」という作品の穴埋めで少し語らせていただいています。もしかしてあむさんも吹奏楽所属なのですかね? (2019年10月25日 17時) (レス) id: e8e6962fde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまうみ。 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2019年9月2日 6時