【twst】監督生の可能性と世界の可能性 (ページ2)

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ルーク×監督生2　※5章前の世界線ページ2

あのレオナ先輩、私は見たことはないが次期領主のマレウスという人にも恐れず立ち向かう人。それがルーク•ハントなのだ。と聞いたことがある。
しかもあの美しいポムフィオーレ寮長、ヴィル•シェーンハイトの近くにいれば嫌でも目につく。
私は、どう答えて良いものか分からず口籠る。
しかし、質問に対し無視をするのはひどいかと思い、喉がくっついて声を出しにくい中、「知ってます…、」と小さく答えた。
すると、目の前のルーク•ハント先輩は綺麗な顔をさらに綺麗にして笑うと
「トレビアン！！私の事を知っているだなんて嬉しい限りだよ！」
と声高々に言った。
私は、今しかないと思い少し緊張する中なんとか口を開く。
「あの、…どうして、る、ルーク先輩はこんな夜中にここにいるのでしょうか…？」
最初の方は口が回らなくて吃ってしまったが、そんな拙い私の質問を先輩は笑顔で答える。
「あぁ、それは狩人の血が騒いだからさ。今日こそはいい収穫があると思ってね。まさか、その収穫がAくん、君だったとはね。」
ルーク先輩はそう言って、私をまるで珍しい獲物を見つけたかのようにして見つめてくる。
その瞳が余りにも熱が篭もっているものだから私は恥ずかしくなって目をそらした。
――確かに、これにはレオナ先輩といえども手を焼くわけだ。
私はレオナ先輩に少し同情する。
そんな事、レオナ先輩なんかに言ったら酷く嫌な顔をするだろうけれど。
「トリックスターくん。今夜この月の下で君の歌声に出会えたのは運命だ。できれば、私にもう一曲歌ってくれないだろうか。」
「えっ、あの。」
まさか、ここでアンコールを貰うとは思っていなかった。しかもこんな美しい人から個人的に貰えるなんて夢のようだ。
でも歌うとしてもルーク先輩はどんな歌が好きなのだろうか。私は戸惑う。
それを見透かしたかのようにルーク先輩はニコッと紳士的に笑うと、私に優しく話した。
「歌ってくれるなら何でも構わない。私は君の感情が乗ったその素晴らしい歌声を独占できるだけで幸せなのだからね。」
そこまで言われて断ることもできない私は、あの駅前で歌ったあの曲を歌い始める。
「――♪―――♪」
弾むこの音、どうかこの楽しい音がルーク先輩に届きますように。
そんな私は思いっきり楽しんで歌う。
ふとルーク先輩を見ると、ルーク先輩は楽しんでくれてるみたいで笑顔なものだから私もより一層笑顔になる。