第捌話 ページ9
氷帝学園の学費は驚く程に高かった。
だからといって払えない額ではないし、私が今まで稼いできたお金を使えば十分に払える。だから私は、親に聞くことも無く氷帝学園へと編入することにした。
取り敢えず、編入試験はしておけとの事だったので、編入試験の問題も解いた。幼い頃、既に高校までの勉強を終え、自分の調べたいことを徹底的にやってきた身としては、解けない問題ではなかったが、まさかギリシャ語が出てくるとは思わなかった。
氷帝学園はかなり学園としての学力水準が高いのでまさかとは思ったが、本当に出てくるとは。
そんなこんなありながらも、私は氷帝学園に編入することが出来た。
「今月から編入してきました。山下Aです。分からないことばかりで心配ですが、どうぞよろしくお願いします。」
私は、とびっきりの笑顔でそう言ったあとに深深とアタマを下げた。
ここはお金持ちの人が行くところだし、少しは行儀がいいところを見せておかないと。
と思い、私が頭を上げるとそこには見たことがあるキノコ頭の人がいた。
――日吉若だ。
私を見て、少し驚いているようだ。まさか本当に入ってくるとは思わなかったのだろう。私もまさか、数多くあるクラスの中でもこいつと一緒のクラスになるとは思わなかった。
私は、日吉若に気づきながらも知らないふりをして笑顔を貼り付け続けた。
「Aちゃんってどこから来たの？」
「Aちゃん、学校案内してあげようか？」
「編入試験って難しいのによく解けたね。」
休憩時間に入るなり、私の席の周りには人だかりが出来た。
余程、珍しいのだろう。
皆瞳を輝かせて、私を見てくる。
あまり、そういう目は好きではないが、仕方がない。ここで悪い態度を取ってしまったら、不快感を与えてしまうし、ここは素直に答えておこう。
私は、一つ一つの質問に正しく答えた。
そんなやり取りの中、日吉若だけは興味がなさそうにラベル本に目線を下げていた。
でも本当に驚きだ。まさかの日吉若と同じクラスだなんて、いきなり日吉の力が目覚めたら、私とは不倶戴天の仲になってしまうだろう。その時はいつ殺されても仕方がないと思う。先祖からの血はなかなか消えてはくれないし、実際私だって、先祖の血の流れに従っているだけだし。
放課後、せっかくクラスの人から学校案内をしてもらうはずだったのに、私は、何故か生徒会室に呼ばれてしまった。
まぁ、いつかは呼ばれると思っていたが、初日で呼び出されるとは。
私は、扉を開けた。
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野良猫(プロフ) - 白銀水龍さん» ありがとうございます！！かなり亀更新になると思いますが、頑張ります！ (2019年2月8日 18時) (
レス) id: d992473dce (このIDを非表示/違反報告)
白銀水龍(プロフ) - 第1話が気になっています！更新頑張ってください！ (2019年2月8日 16時) (レス) id: e63f949200 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：野良猫 | 作成日時：2019年2月8日 0時
