NEW WORLD 2

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「そうじゃなくて。
今怒ってたじゃん」

「怒ってないよ」

「怒ってた！」

「怒ってないって。
なんか、ほんとに頭こんがらがっただけ。
あの人とAちゃん
すげー仲よさそうだったな、
お似合いだったしなと思って。
元彼って言われたから、
じゃあAちゃんは
あの人のこと好きなのかな？
俺みたいな奴苦手なんだったら
あの人がいいのかな？って」



隆二くんの言いたいことが、よく分からない。

だけど、隆二くんみたいな人が苦手、
という部分については
訂正しておきたかったので口を挟んだ。



「確かに、好みのタイプって言ったら
違うかもしれないけど、
隆二くんは特別だから。
金髪でヒゲ生えてる人が10人いたとして、
そこから誰か選べって言われても
無理だけど、
9人臣くんみたいな人がいたとして
その中にひとり隆二くんがいたら、
絶対に隆二くんを選ぶよ」

「ん？よく分かんない」

「だから、隆二くんは特別で
私は隆二くんを選ぶんだってば」



そう言うと、その点については
分かってくれたのか
隆二くんはうれしそうに笑った。



「なんの話してたっけ」

「私が臣くんを好きなんじゃないかと
思ったけど、ってとこまで」

「そうそう。
でもAちゃんがあの人のこと
好きじゃないんだったらいいやと思って」

「いいの？」

「いいよ」



やっぱりよく分からない。

隆二くんが何に納得したのか理解できない。



「だってさ、あの人とは
ジェットコースター乗らなかったんでしょ？」

「え、うん」

「でも俺とは乗った。
だから、いいよ」



そう言って、隆二くんはにっこり笑った。



私たちの思考回路は全く噛み合ってなくて、
全然通じ合わない。

だけど、
隆二くんの言いたいことは少し分かった。

私にとって隆二くんが特別な存在で、
臣くんは違う。

それを分かってくれているなら
まあいいかと思う。

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