NEW WORLD 2

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「Aちゃんが大事なら、
そんなことしちゃダメだったんだよ」

「……」

「本当に言いたいことを言えばよかったのに。
そうやって自分も周りも傷つけて、
回りくどいことするんじゃなくて」

「……うん」



あの臣くんが、人の話を素直に聞いている。
隆二くんは一体どんな魔法を使ったんだろう。



「Aちゃんに謝ったら？」

「えっ」



思わぬタイミングで矛先が向けられて
びっくりしてしまう。

すると臣くんが私に向き直り
「……ごめん」と謝った。



「いまさらだけど。
俺、ずっと寂しかった。
お前は別に、俺がいなくても
生きていけるんだろーなって。
学生の時も、仕事でもプライベートでも、
俺が必要なことって何もなかったじゃん？」

「……」

「お前にとって俺は何なんだろうって
ずっと思ってて、試すようなことしてた。
女と遊んでも許してくれたら、
必要とされてる気がして」



臣くんの正直な言葉に、胸が痛む。

臣くんがあんなに寂しがっていたのは
私のせいだったのだ。


「私こそごめん。
自分のことしか考えてなかった。
ひどいこと、いっぱい言ったし」

「ああ……
中身からっぽのくせに、
虚勢張るのだけ上手くなっていって
臣くんかっこ悪いよ。だっけ」

「あーほんとごめん。言いすぎた。
本心だけど言いすぎてごめん」

「お前それ謝ってねーだろ！」



臣くんのツッコミに、顔を見合わせて笑う。

もしかしたら私たちは
最初から友達のままで
いるべきだったのかもしれない。

お互いのことをよく分かっているからこそ、
距離を取った関係でいた方が
よかったのかもしれない。

今となっては言っても仕方のないことだけど。



「お前のポリシーは分かってるけど
俺ら仲直りしない？
そしたら、3人で遊べるし」

「いや、臣くんはいらないから。
私は隆二くんだけでいい」

「そんなこと言うなよ！
なー隆二、こいつに言ってやってよ」



臣くんがそう言うと
隆二くんは笑って首を横に振った。



「俺もAちゃんとふたりがいい。
臣は俺と遊べばいーじゃん」

「……お、おう」



隆二くんの言葉に、臣くんがはにかむ。

本当に、隆二くんは不思議な人だ。

臣くんの心を掴んで、
わだかまりを解いてくれた。

直人さんもきっと
私たちと同じようにしてもらったのだろう。

もしかしたら、他にも
同じようにしてもらった人が
いっぱいいるのかもしれない。

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