検索窓
今日:16 hit、昨日:10 hit、合計:359,697 hit

8 ページ8

だいぶ迷ったけれど、
昨日あれだけ迷惑をかけておいて
そのままというのはさすがに
人として礼儀がなっていないかと思ったので、
夜になってから今市隆二に電話した。

何度目かの呼び出し音が鳴った後
『はい』という柔らかな声が聞こえて、
なぜかうろたえる。



『……もしもーし』

「あの、昨日お会いしたAです。
突然お電話差し上げて申し訳ありません」

『うん』

「今お時間大丈夫でしょうか?」

『うん』

「直人さんに連絡先をお聞きして、謝ろうと……
昨日はご迷惑をおかけしてすみませんでした」

『うん』



さっきから、『うん』しか返ってこない。

もうちょっとまともな返事はできないのだろうか。

そう思っていると、『じゃあ』と
向こうが電話を切りそうになって慌てる。



「待って!」

『うん』

「あの……」

『うん』

「……うん、しか言えないんですか?」

『いや、何か言いたいことがあるのかと思って、
待ってる』



今市隆二のしゃべり方は抑揚が少なく、
でもなぜか柔らかい。

声質のせいだろうか。

大人の男のハスキーさの中に、
少年のような甘さが少し混じった不思議な声。



「あの……」

『うん』



もう謝ったのだから、今市隆二に用はない。

だから電話を切られても何も困らないのに、
切ってほしくないと思っている自分に気づいて
怖くなった。

何なんだろうこれは。
まただ。
自分が自分じゃなくなるような怖さ。



「何かしゃべってくれませんか?」



思い切ってそう言うと、
電話の向こうで笑ったような
かすかな気配がした。

9→←7



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (312 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
679人がお気に入り
設定タグ:三代目JSoulBrothers , 今市隆二 , 登坂広臣   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

なつめ(プロフ) - みわさん» コメントありがとうございます!私も同じ気持ちで書いていたので、そう思っていただけてうれしかったです♪ (2018年11月14日 12時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
みわ(プロフ) - 最高です。こんな彼氏ほしいいいw (2018年11月13日 21時) (レス) id: ba7d4ba384 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - brqpm394さん» ありがとうございます!もうすぐ終わってしまいますが、がんばって更新しますのでよろしくお願いします♪次の更新も楽しんでもらえるとうれしいです! (2018年11月8日 14時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
brqpm394(プロフ) - このお話しめっちゃ好きです!!隆二くんとのイチャイチャ楽しみにしてます!!応援してるので無理のない範囲で更新頑張って下さい! (2018年11月7日 21時) (レス) id: 7d82fa9e71 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - aggyさん» ありがとうございます!たぶんそれは愛のなせる技ですね♪ふたりともかっこいいですよね!こんな元彼と彼氏ほしいです。笑 (2018年11月6日 18時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:なつめ | 作成日時:2018年11月1日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。