NEW WORLD

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次の日の朝、
昨夜のことを思い出して
穴があったら入りたくなった。

いくら第一印象が悪かったとはいえ、
初対面の男の前であれほど取り乱すなんて。

大声を出したり泣き喚いたり、
自分が自分じゃないみたいだった。

一体あれは何だったのだろう。



「隆二って、不思議なやつでしょ」



昼休み、直人さんにそう声をかけられた。

昨日は途中で何も言わず帰ったのに、
それを咎めないのは直人さんらしい。



「あいつの前では素の自分が出るというか、
感情が隠せないんだよね。
普段隠してる感情なら、なおさら」



そう言われて、
私は怒りを隠していたのか、と思う。

泣きわめきたいのを隠していたのか、と。

どちらも普段はしないし、
したいとも思わなかったはずなのに。



「だから会わせたかったんだ。
スッキリしたでしょ？」

「スッキリ……したのかな……」



怒って泣き喚いて、その後に残ったのは
どうしようもない寄る辺なさだった。

何もなくなったといえばそうだけど、
スッキリと言えるような爽快感はない。



「もしよかったら紹介するよ。
Aには隆二が必要かなって思ってたんだ」

「いやいや、今市隆二は要らないです。
小林さんを紹介してくださいよ！」



そう言ったのに、直人さんは私に
今市隆二の連絡先を押し付けて行った。

そもそも本人の許可なしに
個人情報を漏らしてもいいものだろうか。

直人さんらしいといえばらしいけど。

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