NEW WORLD

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手加減なしの隆二くんは
獣の隆二くんとは
またちょっと違った。

ただ単純に私を求めて、
尽きることがないといった感じだった。



「目開けて。俺のこと見て」



朦朧としているところにそう命じられて、
何とか目を開くと
汗だくの隆二くんが見える。

精悍で男らしい顔に昂ぶると
また追い立てられて、何も分からなくなる。

その繰り返しだった。





ふと目を覚ますと
カーテンの隙間から
明るい光が差しているのが見えた。

今日は土曜日だから、
仕事が休みで本当によかった。

本気の隆二くんにここまでされて
次の日早起きして仕事に行くなんて
絶対に無理だ。



そばに隆二くんの姿はなく
気配もなく、
カーテンレールにかかっていた作業着もない。

きっと仕事に行ったのだろう。

あれだけのことをしておいて
朝から仕事に行けるなんて、
隆二くんは化け物か何かだろうか。



布団にくるまった状態で起き上がると
小さなテーブルに
鍵と紙が乗っているのが目に入った。

『おはよう。
仕事行ってくるね。
鍵置いとくから好きに使ってください。
行ってきます』と、
とても綺麗な字で書いてある。

人って本当に、見かけによらない。

あの隆二くんが
こんなに整った字を書くなんて、
意外すぎて笑ってしまう。



お腹は空いたけど
心地よい気だるさが残っていて動きたくない。

ベッドに戻り、
布団に残る隆二くんの匂いを感じながら
しばらくぼーっとしていた。

どうしても空腹が我慢できなくなるまで
そうしていたけど、
何か買いに行こうと思ってシャワーを浴びる。

すっぴんのままでコンビニに行き、
おにぎりを買って
また隆二くんのアパートに戻った。

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