*＊お仕事男子の愛し方２＊* 【N.K】

場違いみたいで… ページ3

朝、寝癖まみれの和也くんが
「付いて来て欲しいところがある」

突然言い出すから、

どこだろう？


そう思いながらも支度をして、
昨日お酒を飲んでたせいで車で来ていない和也くんと電車に乗り

和也くんのマンションの最寄り駅に直結するビルに連れてこられた。



手を引かれるまま、
エスカレーターで２階に上がると

ふわっと香る、
大人の女の人からしそうな香り…。



A「…和也くん？」


何も言わず、ズンズンと先へ進む彼の後ろを
頑張った高さのヒールで追いかけて



和「ここ」

立ち止まったのは
高級ブランドと言えば真っ先に出てくるだろう、超有名なブランドのジュエリーショップ。



A「え…ちょっと！」



こんなお店…入ったことない…。



「いらっしゃいませ」


スーツ姿に白い手袋、
綺麗な黒髪をキッチリ一つでくくった綺麗な女性の店員さん。


こんな格好で入るのが躊躇われるくらいの、高級感…。


和「A、リング買ったげる。」


ガラスケースに手をついた和也くんが振り返ってニッコリ。



リ…リング？



なんのこっちゃ分からない私の手を取ると、

和「俺のAちゃんってしょーこ。」

周りに聞こえない位の声で囁く。




A「えっ…」




そんなこと言ってくれたのが嬉しくて、思わず涙ぐんだけど


A「いち、じゅう、ひゃく、せん、まん…」



リングに付いた値札を見て唖然…。


私こんな凄いもの貰えないよ！って
言おうと思ったのに…


「リングをお探しですか？」

話しかけてきた店員さんに、

和「あっ、はい。」


「ご結婚…ですか？」


なんて、思っても見ないことを言われたことで
一気に頰が上がって


和「いや、それはまだなんすけど…ペアリングを探してまして」


「予算は…？」



和「んー、でもとりあえずなんで、2つで5万以内が理想です」


「かしこまりました、いくつかお持ち致します」


店員さんが一度いなくなった時、

和「なにニヤニヤしてんのよ(笑)」


和也くんに笑われちゃった。

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