*＊お仕事男子の愛し方２＊* 【N.K】

おあいこ ページ2

スースーと

小さな寝息をたてながら眠るAちゃんを抱きしめながら、
人肌が、こんなに気持ち良いものだったのかって思い出した。


柔らかく握られた手。
その細くて白い薬指をそっと摘む。


俺には俺の心配事があって、


大学生なんて“人生の夏休み”
大方が遊ぶために生きてるんだから、
その中できっと沢山の出会いがあって
Aちゃんが、俺なんかよりずっと良い人を見つけてしまったら…

とか

10代後半〜20代前半のアソビタイ盛りの男に、Aちゃんを盗られてしまったら…



考えた出したらキリがないけど、
俺がそう思う分、
Aちゃんにもきっと
俺と付き合うことへの心配事はあるんだと思う。


だから、

少しでもAちゃんを安心させてあげられたら…。







寝返りを打ったせいで、
あっちへ向いてしまったAちゃんの顔が見えなくなって

柄にもなく寂しくなっちゃった俺は、追いかけるように後ろからそっと抱きしめる。


誤解もあって、Aちゃんにも嫌な思いをさせてしまったけど、
こーやって寄り添って寝ることを、気持ちいいコトだって知ってもらえた今日は
結局、すごく嬉しい日になって



ただ、くっつくだけ。

ただ、抱きしめて寝るだけでも、




あまり好きでもない子を
なりふり構わず抱いてきたことを
後悔するくらい幸せで



摘んでいた薬指にそっとキスして



和「明日、ちょっと付いてきてね」


聞こえていないだろう一方的な約束をすると
目を閉じた。

場違いみたいで…→←人肌

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