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必死に走って追いかけた
でも当然平野くんの車も、姿ももうあるはずもなく
上がった息のまま…
彼のマンションの重厚なエントランスの前で立ち尽くす
A「……なにやってんだろ、わたし」
追いかけたことろで
わたし、何を…言いたかったんだろう
ただ、無意識に動いていた身体は自分でも制御なんてできなかった
だってあの場にいた平野くんはきっと、わたしに会いに来てくれたはずで
でも、エントランスのインターホンの前で
彼の部屋番号を押すわたしの指は、なにかを躊躇ってる
「あれ？もしかして、Aさん？」
突然後ろから誰かに声をかけられて、振り返った
「やっぱり！紫耀に会いに来たの？
俺は紫耀に忘れ物届けに来たとこでさ」
そこには、前に平野くんの車の前で会った
平野くんのグループのメンバーの1人
ウルフカットの髪
少し長めの前髪から覗く、彫りの深い大きな目が、ニコって可愛らしく笑っていた
たしか…海人くん、て言ってた
海人くんはインターホンに慣れた手つきで部屋番号を押し
"紫耀開けて〜"って、モニターに向かって話す
すると、すぐに開いたエントランスのドア
海人「いこ！」
そして何も知らない海人くんは
無邪気に笑ってエレベーターへ一緒にわたしを乗せた
海人「あ、てか俺のことわかる？笑」
A「…うん。海人くん…だよね？」
海人「そうそう！この前は、邪魔してごめんね。俺もジンも全然状況わかってなくて」
まともに会話するのは初めてなのに
エレベーターの中でも海人くんは
くるくる表情を変えながら、人懐っこく話す
A「…全然、…というか、逆にごめんなさい
わたし…あの時酷い顔してたし」
泣き腫らしたあの日を思い出し、気まずい面持ちでいると
海人「…紫耀ってさ、運転めちゃくちゃ上手じゃん？」
唐突に、そんなことを言い出した海人くん
不思議に思いながらみつめると
海人「でもあの日はさ、突然急ブレーキ踏んで
めちゃめちゃ乱暴に車停めて、走って行ったんだよね。
泣いてるAさんのことに」
A「……え…」
海人「ふふ笑 これ紫耀には内緒ね」
悪戯っ子な顔をした海人くん
それと同時に、エレベーターは止まりドアが開いた
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たむ - もうこの作品の虜です！！続きが楽しみすぎる！！ (2021年7月4日 4時) (
レス) id: 7855f798e1 (このIDを非表示/違反報告)
Azuki(プロフ) - part2一気に読みました！再開してくれて、もう一度書く気持ちになってくれて本当に良かったです。素敵な作品なのでこれからも楽しみにしています。 (2020年3月23日 22時) (レス) id: 8005b02827 (このIDを非表示/違反報告)
さおちゃん。(プロフ) - 楽しみに待っています！ (2020年3月23日 20時) (レス) id: 5d40298e40 (このIDを非表示/違反報告)
あぐた。(プロフ) - part2、再スタートおめでとうございます。そして、再掲載してくださりありがとうございます。平野さんとの距離が絶妙で、胸が苦しくて…毎日の楽しみです。これからも更新頑張ってください。応援しています。 (2020年3月23日 10時) (レス) id: b86c6074bc (このIDを非表示/違反報告)
ちづる(プロフ) - 更新ありがとうございます！ゆっくりでいいです(^^)楽しみにしてます！ (2020年3月23日 1時) (レス) id: 74fbd2e6c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わわ | 作成日時：2020年3月22日 23時
