◇7 sho ページ7
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スタッフ『カットー!』
監督『おっけー。今のいいね〜』
紫耀『よかったぁ…笑 ありがとございます』
ドラマの撮影はアクションシーンも多く
肉体的にも結構ハードで
でも、ドラマの主演が決まったことは業界内でもかなりの反響があり
放送前からたくさん寄せられるドラマへの期待の声に
心地よい緊張感と、やる気も高まっていた
だからこそ
次第に分からなくなってしまう
俺が守るべきものがなんなのか
連日続く、深夜までの撮影
それは明け方まで続くこともざらにあって
朝日が登る前の、空が薄っすらと明るくなり出した頃部屋のベッドまで歩くのもやっとなくらい疲れて帰った日
サングラスを外そうとチェストに手を伸ばした時
あの日Aさんと行った水族館の半券が目に入り
俺はそれを手に取り暫く眺めていた
あの日、握ったAさんの手の感触を思い出していた
虚しく離した手の温もりが消えていくのを思い出していた
紫耀『……やっぱり、俺…だめだな』
どんなに他の答えを探そうともがいても
もう2度と離したくないと…
今はないAさんの温もりをこの手は、ずっと探していることに
日常からAさんがすっかり消えてしまった今、気付いてしまうから
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スタッフ『はい、オッケーです! 次のシーンまでセットの移動あるので、平野さんしばらく休憩になります』
紫耀『すみません、俺ちょっと家に忘れ物して…次の撮影までには戻るんでちょっと出てきていいですか?』
マネージャー『…まあ、ここから家近いし…いいか。
うん、時間までには戻ってきてくださいよ!』
その日、残された時間はあと僅かで
カットがかかるとマネージャーにてきとうな言い訳をして
タクシーに飛び乗り行き先を告げる
東京の街中を走る車に揺られながら俺は
ジンに電話をかけた
紫耀『もしもし、ジン』
神宮寺『はい。どうした紫耀』
数コールで繋がった電話
当たり前だけど、いつもと変わらないジンの声に
俺は何故か安心した
紫耀『ジン…俺さ、今日けじめつけてくる。
お前のいう覚悟ってやつ、ちゃんと決めたから』
神宮寺『……そっか。
ちゃんと逃げずにばっちりキメてこいよ。応援してる』
紫耀『…ありがと、ジン』
失いたくない
傷つけたくない
だから… 怖かった
でも、この日俺はAさんを誰よりも側でずっと
ずっと守っていこうと決めた
この先…何があっても
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たむ - 素敵な作品をありがとうございます!更新楽しみにしています。 (2021年7月4日 5時) (レス) id: 7855f798e1 (このIDを非表示/違反報告)
akp4(プロフ) - このお話大好きで今日また読み返しました!更新待ってますね (2020年12月20日 3時) (レス) id: af01429ab4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしてます(^^) (2020年10月12日 12時) (レス) id: ea80b9bbb5 (このIDを非表示/違反報告)
Airi Lucus(プロフ) - とてもすてきな作品ですね!読めて幸せです。続き楽しみにしてます! (2020年6月26日 22時) (レス) id: f4cd5f6b5f (このIDを非表示/違反報告)
りん - 続編の更新ありがとうございます!主人公と年齢が近いので気持ちに共感しながら読まさせてもらっています(^^)大好きな作品です!更新大変かとは思いますが応援しています! (2020年5月25日 0時) (レス) id: 3e5d36f14c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わわ | 作成日時:2020年5月23日 19時