◇6 sho ページ6
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_____side Sho____
女の人を初めて抱くわけでもないのに
馬鹿みたいに緊張した
初めて触れた愛しい人の素肌
それは指が吸い付くように柔らかく滑らかで
それだけでもう俺の理性はあっという間に崩れ去る
たぶん、この人は俺を狂わせる為に生まれてきたんだと思った
俺の腕の中で静かな寝息を立てるAさんは
いつもの大人びた雰囲気とは違って少しあどけない
伏せられた長い睫毛が天使の羽みたいに綺麗で
いつか俺の腕の中から勝手に飛んでいってしまいそうな気がして途端に怖くなった
このままどこにも行かないように
俺の腕の中に閉じ込めてしまいたい
そう身勝手なことを思いながら、柔らかい頬を撫でた
よかった
あの時、Aさんを諦めなくてよかった
諦めていたら
こうしてAさんを抱き締めて眠ることはきっとできなかったから
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マスター『いらっしゃい』
紫耀『こんばんは』
Aさんにはあの夜を最後に連絡を取ることはできず
明日から始まるドラマの撮影
自由のきく最後の日に、俺の足はバーに向かっていた
マスター『今日はAちゃんきてないよ』
紫耀『…あ、いや、しばらく仕事で忙しくなるんで、来れなくなる前に顔出しとこうかなって…』
マスター『そっか』
嘘ではなかったけど、そんな口実きっとマスターには無意味だった
入り口のドアが開くたびに、Aさんかと思って無意識に反応してしまう俺にマスターが気づかない訳はなくて
黙ったまま進まない酒をボーッと眺めていた俺に
マスター『…平野くん。君に、頼みたいことがあるんだけどいいかな』
紫耀『…え？』
グラスを拭く手を止めたマスターが言った
マスター『2週間後の金曜日』
マスター『Aちゃんの誕生日なんだ。
…忙しい君には難しい頼みかもしれないけど、
その日だけは、1人にさせないでやって欲しい。Aちゃんのこと』
俺はただ、１つも聞き漏らすことのないように
マスターの言葉を聞いていた
マスター『Aちゃんはきっと1人で…誰もいないところで泣いてるから』
Aさんは、本当は誰よりも寂しがり屋で
でも、それを隠して無理に笑おうとする人だから
なんでもない、大丈夫だからって
陰で泣いているAさんなんて簡単に想像できるのに
なのに…そのマスターの言葉に俺は
はい、とただ一言、真っ直ぐ
答えることは…出来なかった
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たむ - 素敵な作品をありがとうございます！更新楽しみにしています。 (2021年7月4日 5時) (
レス) id: 7855f798e1 (このIDを非表示/違反報告)
akp4(プロフ) - このお話大好きで今日また読み返しました！更新待ってますね (2020年12月20日 3時) (レス) id: af01429ab4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしてます(^^) (2020年10月12日 12時) (レス) id: ea80b9bbb5 (このIDを非表示/違反報告)
Airi Lucus(プロフ) - とてもすてきな作品ですね！読めて幸せです。続き楽しみにしてます！ (2020年6月26日 22時) (レス) id: f4cd5f6b5f (このIDを非表示/違反報告)
りん - 続編の更新ありがとうございます！主人公と年齢が近いので気持ちに共感しながら読まさせてもらっています(^^)大好きな作品です！更新大変かとは思いますが応援しています！ (2020年5月25日 0時) (レス) id: 3e5d36f14c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わわ | 作成日時：2020年5月23日 19時
