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ゆっくり振り返ると
ほんの数秒…
交わる視線
でも、彼はサングラスをしていて
黒いレンズ越しに彼がどんな表情をしているのかは
よくわからなかった
彼に会ったらその場で鍵だけを返して
すぐに立ち去ろうと思っていたのに
彼の言葉にわたしはなにも返すことが出来ず
そのまま流されるように腕を引かれ、エレベーターに乗り込む
2人だけを乗せたエレベーターが高層階へと昇り始めると
彼は、無造作にサングラスを外した
紫耀「間に合ってよかった」
A「……え…？」
サングラスを外した彼は、少し眩しそうに目をぎゅっとして
そして、柔らかく笑った
紫耀「さっき、仕事終わってマネージャーに車で地下の駐車場に送ってもらうとこだったんだけど
丁度、Aさんがマンションから出てくところが見えて
俺、地下からめっちゃダッシュしたの笑」
だから少し、息が乱れてたのか…
A「…そうだったんですね
なんか…すみません」
紫耀「なんで謝んの？」
高級マンションのエレベーターは
そのへんのマンションのものよりも、はるかに広い
それでも、所詮はエレベーター
ここは、2人だけの小さな密室で
さっきまで、少し離れて壁にもたれていた彼が
不意に距離を詰め
わたしの顔を覗き込む
紫耀「だって俺に会いにきてくれたんでしょ？」
掠れた低い声と
少しだけ上目遣いで
色気と、幼さを綯い交ぜにしたような視線
それは計算し尽くされたものなのか
無意識なのか
これを、真に受けてはいけないと分かっていても
勝手に小さく震えた胸を、抑えることはできなかった
どうしてこの人の些細な仕草は
簡単に、人を惑わせるんだろう
A「……会いに来たというか…その…」
返答に困り、言葉を探していると
……チン
紫耀「…ん、着いた」
丁度、エレベーターが止まった
そして彼の部屋の前まで来ると
紫耀「どうしたの？入りなよ」
先に玄関のドアを開け
何故か当然のようにわたしが先入るのを待っている彼
でも、部屋に上がるのを少し躊躇するわたしをみて
紫耀「そんな警戒しなくても、今日はなんにもしないから笑 安心して」
彼はそう言って笑った
そしてわたしはまた
彼に背中を押されるまま
部屋へと足を踏み入れた
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たむ - めちゃくちゃ面白くて引き込まれました！！これを楽しみに仕事頑張ります！！更新される事を待っています(>_<) (2021年7月4日 3時) (
レス) id: 7855f798e1 (このIDを非表示/違反報告)
サンリオ(プロフ) - 更新されていて嬉しいです。ありがとうございます (2020年3月14日 16時) (レス) id: ff278406bf (このIDを非表示/違反報告)
ラピス(プロフ) - 初めまして。読ませて頂きました。確かにきっかけは何でもいいとおもいますよね。人を好きになるって力をくれますが…切なさとかもあったりして色んな感情を与えてくれたりしますよね。お話し楽しみにしてます。 (2020年3月14日 11時) (レス) id: a9f033db9b (このIDを非表示/違反報告)
Azuki(プロフ) - 初めまして。更新ありがとうございます！素敵なお話で楽しみにしていました。続きもとても気になります！応援しています。 (2020年2月27日 20時) (レス) id: 8005b02827 (このIDを非表示/違反報告)
わわ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます！！更新がんばります！ (2020年2月2日 21時) (レス) id: 1ed40d5049 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わわ | 作成日時：2020年1月25日 19時
