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A「………嘘つき…」
聞こえてきたのはいつまで経っても無機質なコール音だけで
それは暫くして、留守番電話へと切り替わった
いつでも絶対出るって
そう言ったくせに…
結局、信じる方が馬鹿をみる
男なんてみんな嘘ばっかり
あんな言葉真に受けて
こんなところで1人で泣いて
いつからこんなに弱くなったんだろう
いい歳してわたし…ほんと、馬鹿だな
涙は拭っても拭っても止まらなくて
もう…拭うことにも疲れて
静かに下を向いた…時
「こんなとこで…なんで泣いてんの」
勢いよく背中から、ぎゅっと…身体に強く回された腕
一瞬…ここだけ時間が止まったようなそんな感覚
ねぇ…どうして
こんな…ドラマみたいなタイミングで
「……放って置けなくなんじゃん」
こんな…ヒーローみたいに都合よく現れるなんてありえないのに
この腕も、声も、香りも
彼以外に…知らない
A「……嘘つき…っ……
いつでも絶対出るって…言ったのに」
驚くよりも先に、彼のこの温かい腕に安心したのか
涙と一緒に溢れるのは
情けなくて子どもみたいな言葉
でもこれが…初めて彼に見せた本当の自分だったのかもしれない
紫耀「…えっ？ 今電話くれてたの？俺のスマホ車ん中だ」
A「……っ…なにその言い訳…」
紫耀「いや、本当に！ここの道、車で走ってたらさ
道の隅っこで泣いてるAさんが見えて」
後ろからまだわたしを抱きしめたまま
肩に顎を乗せた彼の頬が首筋に触れる
紫耀「最初は見間違いかな…って
こんな偶然ないだろって…さすがに思ったんだけど
気づいたら俺、走ってたから」
彼の優しさを求めたのはわたしのくせに
こうして、求めた以上の優しさを無条件に与えてくれる彼に
優しくなんてしないで…って
思うわたしはどうかしてる
紫耀「……電話、出れなくてごめん
でも…ずっとこうやってAさんが泣き止むまで側にいるから…許して」
抱き締めた腕を離した彼はわたしの身体をくるっと反転させると
初めて彼と目が合った
相変わらず目深にかぶった帽子
マスクもしていてほぼ顔なんて見えないのに
涙を止め処なく流すわたしを
彼の方が、切ない目でみつめる
紫耀「もっと、泣いていいよ」
スッと…伸びた男らしい指が
頬の涙を、優しく拭った
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たむ - めちゃくちゃ面白くて引き込まれました！！これを楽しみに仕事頑張ります！！更新される事を待っています(>_<) (2021年7月4日 3時) (
レス) id: 7855f798e1 (このIDを非表示/違反報告)
サンリオ(プロフ) - 更新されていて嬉しいです。ありがとうございます (2020年3月14日 16時) (レス) id: ff278406bf (このIDを非表示/違反報告)
ラピス(プロフ) - 初めまして。読ませて頂きました。確かにきっかけは何でもいいとおもいますよね。人を好きになるって力をくれますが…切なさとかもあったりして色んな感情を与えてくれたりしますよね。お話し楽しみにしてます。 (2020年3月14日 11時) (レス) id: a9f033db9b (このIDを非表示/違反報告)
Azuki(プロフ) - 初めまして。更新ありがとうございます！素敵なお話で楽しみにしていました。続きもとても気になります！応援しています。 (2020年2月27日 20時) (レス) id: 8005b02827 (このIDを非表示/違反報告)
わわ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます！！更新がんばります！ (2020年2月2日 21時) (レス) id: 1ed40d5049 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わわ | 作成日時：2020年1月25日 19時
