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1口だけ飲んだ熱々のコーヒーはきっと冷めてしまっていて
もう覚えてしまった
甘いムスクの香りが時折、空気を揺らすだけ
わたしは不意に思う
この先彼となにがあっても、なくても
わたしはきっとこの香りを忘れることはできそうにないと
A「……ダサくなんか、ない」
やっと、発した声は少し震えてしまって
わたしの声に顔を上げた彼は
少しだけ驚きを見せて、その黒目がちな目でじっとわたしを見つめた
A「……誘いに乗ったのはわたしだし
…ダサいのは、わたしの方です」
自分の弱さに押し負けたのはわたしで
あの甘い罠は
一瞬でも、寂しさを忘れさせてくれた
だから、
甘い色気を放つ、危険な香りのした彼に
そう仕向けていたのは…
きっと、わたしの方だ
紫耀「…ふふ笑」
突然、口元を片手で押さえて笑った彼
横目にわたしを見ると
ちょっと意地悪なあの顔をする
紫耀「…じゃあ、あれはやっぱり手出してもOKってことだったんだ。」
A「…え？」
彼は脚を組み替えると、もう冷め切っているコーヒーを
ゴクリと喉に流し込み
一呼吸置いて、言った
紫耀「あんな言い方したけど
俺とAさんは、あの夜何にもなかったから」
A「……え…？」
紫耀「酔って眠っちゃったAさんを、おんぶして俺の家連れてきたら
苦しいーって自分で服だけ脱いで寝ちゃったの」
"本当はまだ、バラすつもりなかったんだけどなー"って
その日の夜のわたしを思い出しながら
目を細めて楽しそう笑った彼
べつに…
べつに彼と"寝た"という事実が
本当はなかったことにがっかりしたわけでは決してない
ないけど
紫耀「ブラ一枚で、かわいい寝顔見せられてさ
俺、耐えるのまじで必死だったんだけど」
想像を超えるあの夜の真相は
もう恥ずかしさも通り越して
言葉を失うしかなかった
紫耀「本当は俺とシてないって知って、ちょっと残念？笑」
固まるわたしに
そう、やんちゃな顔してそんなことを聞くなんて
彼は…確信犯だと思う
紫耀「でも…あれからずっと
いつ、また会いに来てくれんのかなって思ってた」
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たむ - めちゃくちゃ面白くて引き込まれました！！これを楽しみに仕事頑張ります！！更新される事を待っています(>_<) (2021年7月4日 3時) (
レス) id: 7855f798e1 (このIDを非表示/違反報告)
サンリオ(プロフ) - 更新されていて嬉しいです。ありがとうございます (2020年3月14日 16時) (レス) id: ff278406bf (このIDを非表示/違反報告)
ラピス(プロフ) - 初めまして。読ませて頂きました。確かにきっかけは何でもいいとおもいますよね。人を好きになるって力をくれますが…切なさとかもあったりして色んな感情を与えてくれたりしますよね。お話し楽しみにしてます。 (2020年3月14日 11時) (レス) id: a9f033db9b (このIDを非表示/違反報告)
Azuki(プロフ) - 初めまして。更新ありがとうございます！素敵なお話で楽しみにしていました。続きもとても気になります！応援しています。 (2020年2月27日 20時) (レス) id: 8005b02827 (このIDを非表示/違反報告)
わわ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます！！更新がんばります！ (2020年2月2日 21時) (レス) id: 1ed40d5049 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わわ | 作成日時：2020年1月25日 19時
