【ヒロアカ】感電と発熱 (ページ9)

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心操「俺、あんなに教えたよね…

　勉強会たくさんしたよね…？」

『待って、ストップ！心操くんストップ！』

ギチギチと軋む肩などお構いなしに迫ってくる顔はヒーロー志望らしからぬ表情だった

『ちゃんと全力出し切ったよ！

　けど倍率的にどうしても不安にはなる』

心操「…そういうことね」

両肩の力が緩み、痛みを和らげるように撫でられる

心操「大丈夫だよ、あんなに頑張ったんだ」

心操「一緒に、ヒーローになろう」

『………うん！』

_____

「岸水？肩なんか抑えて…

　雄英の試験はそんなにハードだったかぁ」

『せ、先生………

　これは昨日、彼から無理矢理…………』

心操「？！」

心操くんって本当にリアクションが面白いんだよなぁ

『冗談です』

なんだろう…なにかに似てるんだよね…

心操「いや、冗談ではないでしょ」

「？！」

『はは、先生困ってるぅ

　ただの戯れ合いでちょーっと痛めただけですよ』

「そ、そうかなら良いんだが…」

心操「そろそろ授業始まるんで、行きますね」

「おう、遅刻しないようにな」

授業開始ギリギリ、ほとんど人のいない廊下を進む

なんで手を引っ張られているんだろう、と思いながらもその背中についていく

あ───

『猫だ！』

心操「…急になに？」

私の手首を掴んだまま怪訝そうな顔で振り向く心操くん

……うん、猫！猫だ！

『心操くんは猫って話〜』

心操「・・・はァ？」

ここが似てる！とははっきりとは言えないけど、なんとなく似てるんだよね

うんうん、と1人で勝手に納得しながら彼からの視線を受け流す

心操「・・・勝手に言っとけば」

ふん、と鼻を鳴らし教室を目指していく

手は掴まれたままだから多分、怒ってはいないと思う

───ぽとっ、

『・・・ん？』

いまなにか落ちたよ─、とソレを拾おうとした瞬間

───バシッ

心操「・・・」

『い、今の………』

心操「良いか？岸水さんは何も見ていない

　何も見ていないんだ」

『猫じゃらしだね！』

心操「ゔ…ッ、！」

『猫、好きなんだ』

心操「………まあ

　 ……それなりには」

『まあ？

　それ持ち歩いてるって相当好きじゃん』

心操「・・・授業遅れるよ」

『わっ、』

好きなものがあるって、とても素敵なことだと思うけど

まあ、可愛い心操くんが見れたし良しとするか

『( 耳、真っ赤だ )』