【ヒロアカ】感電と発熱 (ページ44)

今日:5 hit、昨日:16 hit、合計:25,499 hit

44_発芽ページ44

_

職場体験三日目

マニュアル「今日も今日とてパトロール

　ごめんね代わり映えなくて」

飯田「いえ、むしろ………ありがたいです」

マニュアル「Aちゃんの方はどう？」

『す、すごく神経持っていかれますがなんとか……』

マニュアル「三日目でそこまで出来てるんだから上出来だよ」

個性の調整を行うとしてまず少量の水を出し続ける特訓をした
この微調整がなかなかに難しく、それを更に長時間続けるのが意外ときつい

『( 今までどれだけ感情のまま個性放ってきたかがわかる… )』

昨日はそれに加え、放出した水を操る方法を教えてもらった
私の水は体内から出ているものなので、本体からの意思が繋がってるのなら操作可能なんじゃないか、とのことだった

ちなみに可能だったびっくりした

今はまだ簡単な軌道修正しか出来ないため、手の上で小さく水のリングを回し続けながらパトロールについている

個性の特訓と同時進行で街の人を観察するのは意識が混濁しそうで危ない

「わぁ……！そのぐるぐる、きれい！」

『！』

足元から聞こえた幼い声

目線を合わせるために跪く

「お姉ちゃん、ヒーロー？お名前なんていうの？」

『私はサディレイター虹のヒーローだよ』

手のひらの水を太陽が反射し、ほんの僅かに小さな虹が出来る

「ちっちゃい虹！」

目をきらきらとさせる子供からぽんぽん、と花が出てくるとその子は慌ててそれらを掻き集めた

「あ、ああ！またやっちゃった…
　これね、私の個性なの
　嬉しい時とか楽しい時、お花が勝手に出てきちゃう」

『……とても可愛い個性だね』

一輪だけ花を取り、螺旋状に水で包み込む

「！」

『あ』

ちょっと頑張ってみたが、すぐに形が崩れてしまい手には少量の水滴が乗った花だけが残る

『うーん、もう少しかっこつけたかったんだけど…』

「これ、これ…ほしい！」

私の手に小さな手が重なり、花を渡すと嬉しそうに飛び跳ねた

「これ、綺麗！花束みたいですごかった
　今は消えちゃったけど、すっごく綺麗だったの
　大事にする！これ、すき！」

『！………ありがとう大切にしてね』

マニュアル「君真面目そうだからさ！

　視野がガーッとなっちゃってそうで…案じた！」

飯田「ご忠告感謝します」

『( …やば女の子に夢中で話聞いてなかった )』