【ヒロアカ】感電と発熱 (ページ40)

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40_向き合えアドヴァーサリーページ40

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体育祭後

上鳴「岸水、一緒に帰ろう」

『うん』

あの時言っていた“話”のことだろうと、一つ返事で了承した

周りはほとんどの生徒が教室を後にしており、今日の疲労に伸びをしながら沓摺(くつずり)を跨ぐ

上鳴「週明けの指名発表どうなってかなぁ、指名0だったらどうしよう」

『いやいや、あんな派手な放電した人を欲しがる人が
　1人もいないってことはないでしょう』

上鳴「だといいんだけどなー」

『で、話ってなに？』

上鳴「うわ本題入るのはっや」

いつの日か上鳴くんと喧嘩………した時の階段を通り過ぎ、中央階段を目指す

窓から見える正門にはたくさんのプロヒーローが見えるが

『( 心操くん見当たらないなー… )』

上鳴「あのさ、俺ずっと岸水に対して失礼な態度とってた

　俺のせいで余計な心労かけてた」

上鳴くん、いつもおちゃらけてるけど意外と繊細なとこあるっていうか…

『正直最初は気まずいなって思ってたけど
　心操くんが訂正してくれて…だからもう気にしてないよ』

上鳴「……あのさ

　普通科の奴に告られた本当？まだ俺にチャンスある？」

『え？』

バタン、と靴箱を閉じるとふらふらと歩き出した

上鳴「いや、その俺も…告白っつー訳じゃないんだけど

　なんかこう、独占欲？みたいな…俺もよくわかんないけど」

上鳴「とにかく、あいつに取られるのが気に食わない」

掴まれた手首からパチパチと音が鳴る

『・・・』

本当にただの独占欲だとしたら、正直気持ちはわかる

好きじゃないけど何故か独占欲が湧く人っているよね

まあ、私にとってのその人はもう何処にいるかわからないんだけど

『私達はまだ出会ったばかりでお互いのことよく知らないから
　好きって訳じゃないんじゃないかな？』

『知らないことだらけだから、知りたいって気持ちが強まって
　それが独占欲に似た形になったんだと思うよ』

上鳴「……でも、好きじゃないと知りたいと思わない」

『それは言えてるね』

上鳴「え、じゃあ俺岸水のこと好きってこと？」

夕陽より赤い上鳴くんにぴゅっと水をかけながら正門までの道を歩く

『それは知らないなぁ』

上鳴「岸水はさ、あいつのこと好きなの」