『だからフランは、喧嘩売るようなこと言うなっつーの！！』 ページ50
**
先程とはうって変わって、静まりきった部屋。
その真ん中で、ただ少女は立ち尽くしていた。
「K………大丈夫？」
浮遊移動をしながら、ゆっくり顔を覗き込むバミューダ。その時、彼は見た。
彼女の涙の跡を。
しかし、その跡も冗談を言った時みたいな笑顔で、かき消された。
「まったく。まいっちゃうよねぇ」
「………」
無理に笑うことが、かすかに震えている肩から伝わる。
「抱き締めてくれたことなんて、一度もなかったのに」
「……」
「僕のことが殺したいぐらい嫌いなはずなのにね」
「……」
「なんで、
幻覚使ってでも、抱き締めるはずがないのに……」
「………K」
あとに続こうとする言葉をバミューダは遮った。
「どうするんだい？
アイツらには逃げられちゃったし、幻騎士もろくに目を覚まさない。
君の計画、ぐちゃぐちゃになったよ？」
「………」
地面に横たわる、幻騎士の姿。
荒らされた部屋。
そして＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「………そうだ、そうだよ！！」
急に嬉々とした表情に変わるKは、すぐにもとに戻った。
彼女の目に映るのは
「彼がいるじゃないかぁ……」
一人取り残された、青年
_______六道骸。
「プッ、ハハハ！！いいね、いいね！役者が揃ってきた！」
彼女はまた完全にもとの表情に戻っていた。
そう、もとの
黒い黒い、悪党の顔に。
**その頃、並盛では***
下校時刻となった今、生徒達群れができる。
しかし、その中でも目立つ
透き通るような水色の髪が、風にたなびいていた。
「にゅにゅにゅ〜………ここが、並盛ぃ……？」
少女は下校する生徒と逆の方向へと足を踏み出した。
その姿は、陸に上がったばかりの人魚のようにおぼつかない足取りで、
太陽なんて知らないような白い肌は、病院を思わせる。
小さく、弱々しい、それは『十年前』より。
でも、彼女は『十年前』よりも凛としていた。
「待ってね、白蘭」
みんな知らない。
少女の満面の笑みに、喜びと
「ブルーベルが、絶対、絶対に復讐してあげるんだから……！！！」
殺気でできていたことに。
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ラーナ(プロフ) - たくさんの応援メッセージありがとうございます！！！丁寧に返せなくてすみません……でも、元気が出てきました！ドンドン更新していきますっ！こんな私ですがこれからも応援よろしくお願いします！！ (2014年9月15日 16時) (
レス) id: d880c69566 (このIDを非表示/違反報告)
羽霧 - すごい、面白い！！はまったよ！！ (2013年12月23日 21時) (レス) id: 2ffb3e71a4 (このIDを非表示/違反報告)
プリン - こんにちは たぶんカスのぶんざいでってのがが下巣のぶんざいでになってます (2013年11月6日 18時) (レス) id: 9aaa700ae9 (このIDを非表示/違反報告)
ボカロ隊長(プロフ) - 面白いです♪更新頑張ってください！♪ (2013年7月12日 7時) (レス) id: 988493e2c9 (このIDを非表示/違反報告)
狐狗狸( ´艸｀)(プロフ) - ラーナ！！お久しぶり(^^ ) 続きが凄く気になる！相変わらず超面白いね！これからも応援してるよ！ (2013年7月7日 22時) (レス) id: 82756433f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラーナ | 作成日時：2013年5月18日 18時
