14. ページ14
.
『じゃあまずさ、もう仕事辞めよ？』
「は？何言ってんの？」
『そんなに辛いなら職場環境変えた方がいいんだよ』
「聞いてた？私の話。そもそも今日帰る家すら無いのに転職の話？」
『俺の家に帰る？』
「知らない男の家について行くと思う？」
『そうだよねぇ、でもちゃんと自己紹介したよ？』
アハっと笑う能天気なコイツを柵越しに睨みつける
『近くで見たらちゃんと顔見えるね。勿体ないね、こんな子ほっとく親御さんも彼氏くんも』
「どういう意味…」
『綺麗だね、Aちゃんは』
ニコっと笑った彼の笑顔
ほんとだ、近くで見たらちゃんと見える
金髪から覗く、力強い目
こんなに優しく響くように名前を呼ばれたのは初めてで
不覚にもドキッとしてしまう
『きっといっぱい色んな辛いこと耐えてきたから、こんなに綺麗なんだよ』
「っ…アンタにそんな事…言われたくないっ」
『それなのにもう死んじゃうの？きっとこれからまだ経験してないことも楽しいこともたくさんあるよ』
「経験なんていい…何もいらない…辛い事ばっかりだから」
あぁ、そうか
とりあえずこの人は私のこの行動を止めたいんだ
見てしまったから、目の前で死なれたら後味が悪い
きっとそう
「私が死んでも誰も何も思わないから大丈夫よ」
『まず俺が悲しむでしょ？』
「今会ったばっかのアンタが悲しむとは思えないけど」
『冷たい事言うねぇ』
はぁっと短く息を吐いた彼は
再び私を向き直した
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 954人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぬう(プロフ) - ゆらさん» すみません、存じ上げません。人様の作品の引用等はしておりません。ご不快に思われたようでしたら申し訳ございません。 (2020年2月19日 8時) (
レス) id: a381596225 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 最新の短編集と全く同じ内容かつ同じ台詞の作品を他サイトで拝見した事があるのですが、もし引用されていらっしゃるのであれば明記された方がよろしいのではないでしょうか？少し気になった為コメントさせて頂きましたm(_ _)m (2020年2月18日 23時) (レス) id: 676fbb6c14 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぬう
| 作成日時：2020年2月9日 0時
