#68 ページ19
目「あのさ、たぶんってか絶対俺が傷つくような内容なんだろうけど…深澤先生に何かされた？」
「えっ？さ、されてない何も」
目「明らかにきょどってんじゃん」
ごめん目黒、今深澤先生の名前出されるとさすがに動揺が隠せない。
心の中で謝る。
目「俺、あの人には負けないから。」
真っ直ぐ前を見てそう言った目黒の顔は、とても傷ついているようには見えない。
隠してるだけかもしれないけど。
目「この前の金曜の補修でさ、Aと付き合ってんのかって聞かれたんだよ」
「何て答えたの？」
目「ちゃんとは答えてない。で、逆に先生に質問ぶつけ返した。そしたらあの人全部はぐらかしてくんの」
目黒の話を聞きながら、だから今日「目黒は真っ直ぐだ」的なこと言ってきたんだって納得。
目「普通にずるくね？悪い大人だわ」
「ほんとそれな」
期待させるようなことしかしないくせに。
さらっとはぐらかしてヘラヘラ笑う。
もう、何回、それにドキドキさせられただろう。
「目黒は、強いよね」
目「え？」
「ちゃんと自分の気持ち言えるじゃん」
目「だって言わないと伝わらなくね？」
「そうだよね、うん、本当にそうだよね」
目黒には申し訳ないけど、やっぱり私の中で目黒は恋愛対象じゃなくて、憧れ。
目黒みたいになれたらなって心の底から思うの。
目「っあーーーーー」
突然空を見上げて唸る目黒。
「どしたの、」
目「マジ俺、諦めないから。」
その射抜くような視線から伝わる真剣さ。
目「俺は、ちゃんと俺の気持ち伝えるよ。何回でも伝える。Aが好きだって。」
「うん、ありがとう…でもごめんね」
目「まだ可能性、ゼロじゃないでしょ。」
「それは、」
目「俺はゼロになるまで諦めない。」
ストレートすぎる目黒といると、なんか申し訳なくて。
それはそれで苦しくなる。
私が先生のことを好きで苦しいように。
きっと目黒も苦しいだろうなって。
片想いって、苦しい。
その後はタピオカを買いに寄り道したりと、普通に目黒と楽しく帰路についた。
私がやってることも、先生と同じで中々に残酷だな。
なんて思いながら。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1277人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「深澤辰哉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なっつ(プロフ) - まりなさん» 今後の展開で書いてみますー！素敵なリクエストありがとうございます(*^^*) (2020年9月5日 2時) (
レス) id: 57490b8521 (このIDを非表示/違反報告)
まりな(プロフ) - 今はふっか先生の方がモテててやきもち焼いちゃう主人公ですが、樹くんの時みたいに先生と言う立場だからこそ感じちゃう嫉妬みたいなのも見てみたいです^^ (2020年9月5日 0時) (レス) id: 4917011bf8 (このIDを非表示/違反報告)
なっつ(プロフ) - ひめりんごさん» コメントありがとうございます！ドキドキキュンキュンお届けできて嬉しいです！！私も毎日リアコふっかにやられてます！笑 (2020年7月28日 14時) (レス) id: 57490b8521 (このIDを非表示/違反報告)
ひめりんご(プロフ) - やばいですめちゃくちゃドキドキというかキュンキュンというかもう最高ですふっかリアコ万歳！！！ (2020年7月27日 1時) (レス) id: 1f3ffa58d1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なっつ | 作成日時：2020年7月10日 0時
