#62 ページ13
束の間の沈黙。
目があったかと思えば、ふっと逸らされた。
その一瞬の間に揺れた先生の瞳は、一体何を表してるの？
やっぱり、ずるい。
一瞬でもそんな表情をしちゃう先生はずるい。
深「…ふーん、またやったんだ」
「う、うん、なんか」
深「嬉しかった？樹とキスできて」
冷たい視線が突き刺さる。
ヘラヘラした深澤先生らしさなんてどこにもない。
あぁ、これで本当に呆れられたかな。
わざわざ変な嘘つかなきゃよかった…。
冷たくて、尖った声が私を追い詰める。
深「なに？樹のこと好きなの？」
「えっと、」
深「ってかまた会ったんだ。それでキス？軽いねぇ」
言葉に詰まる私に畳み掛ける先生。
深「なに？それを俺に報告しにきたわけ？
いーんじゃない？樹が好きなら樹と付き合えばいいよ。
それがAのやりたいことなんでしょ？」
私、こんな風に火を付けたかったわけじゃないのに。
全部全部、否定したいのに。
先生の冷たい視線が、声が、私を硬直させる。
この人は、今私が欲しい言葉なんて絶対にくれない。
深「意外だな〜樹なんだ。目黒も一足早ければよかったのにな。なんならキスしたもん勝ち」
「先生には、関係ないじゃん」
深「は？」
悔しくて、苦しくて、イラついて。
たった一言、溢れ出したらもう余計なことしか口から出なくなる。
「先生、全然わかってない。
私がどんな気持ちか、何もわかってない。
そんなんで簡単に興味あるとか言わないで！」
深「…。」
「私が好きなのは、樹くんでも目黒くんでもないもん…」
先生に聞こえるか聞こえないか。
消え入りそうな声でそう呟いて唇を噛む。
涙が一滴、頬を伝った。
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なっつ(プロフ) - まりなさん» 今後の展開で書いてみますー！素敵なリクエストありがとうございます(*^^*) (2020年9月5日 2時) (
レス) id: 57490b8521 (このIDを非表示/違反報告)
まりな(プロフ) - 今はふっか先生の方がモテててやきもち焼いちゃう主人公ですが、樹くんの時みたいに先生と言う立場だからこそ感じちゃう嫉妬みたいなのも見てみたいです^^ (2020年9月5日 0時) (レス) id: 4917011bf8 (このIDを非表示/違反報告)
なっつ(プロフ) - ひめりんごさん» コメントありがとうございます！ドキドキキュンキュンお届けできて嬉しいです！！私も毎日リアコふっかにやられてます！笑 (2020年7月28日 14時) (レス) id: 57490b8521 (このIDを非表示/違反報告)
ひめりんご(プロフ) - やばいですめちゃくちゃドキドキというかキュンキュンというかもう最高ですふっかリアコ万歳！！！ (2020年7月27日 1時) (レス) id: 1f3ffa58d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なっつ | 作成日時：2020年7月10日 0時
