気づかれぬように。【白膠木簓】

◎realize 25 ページ28

蘆笙side









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ついに受けとっってしまった









紙切れ1枚ではあるが
俺はこれを無くしてしまったらどうなることだろうか

とつくだけでは済まないだろう。









蘆｢変な依頼受けてもうたなぁ…あかんわぁ…｣









なるべく汚れやシワがつかないように
胸ポケットに入れる。









女子生徒｢蘆笙せーんせ！何持っとったん？｣

蘆笙｢な…なんでもあらへんよ！…べ、別に…｣

男子生徒｢もしかして彼女さんの写真とかやない？！！｣









あらぬ誤解が広がるのは避けたいところだが
上手く口から弁解のための言葉が出てこない。









蘆｢ちゃう…って！…あかん、み、見んといて…！｣

女子生徒｢やっぱ可愛えぇなぁ〜！蘆笙せんせ！｣

男子生徒｢照れるの急すぎん〜！｣









あぁ、自分が情けない









元気な生徒たちが離れていった後にため息をつく。

これがなければきっと









太陽とおなじ道を歩いてたんだろう









そんな昔のことをふと考えてしまって
首を振る。









蘆｢今頃こんなこと考えてる場合やないな。俺は、人の夢を支えてやらんと。｣









頬を両手で軽く叩いて気合いを入れ直した。









俺も俺なりに。
前に進んでいくで。









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