14話[VS宿儺] ページ15
宿儺
「叫ぶな、嘆かわしい」
宿儺が突如と現れ、そう言った
墓多は警戒して戦闘体制に入る。
墓多
「叫んだ事は謝ります。けれど此処へ連れてきたと言う事は戦えと言う事でしょう?」
墓多は声が震えつつも推測した事を言った。
言葉次第ではすぐに殺されてしまう事をよく理解している墓多は、なるべく慎重に言葉を選んだ。
手の中には数枚の式札が握られている。
宿儺
「嗚呼。戦え、小僧」
構えろ、と言った宿儺はとても愉快そうな表情をしており口元は歪んでいた。
墓多はそんな宿儺に悪寒を覚えながらも1枚の式札を陰に放り投げた。
陰から召喚されたのはツノが生え、禍々しい悪魔の翼を宿した黒竜・ミラボレアスと、顎と首元に銀白の毛が生え、神々しい白い悪魔の翼を宿した白竜・ミラルーツだった。なんとも正反対な特徴を持つ2頭の龍はこの場には相応しい力を有していた。その2頭の咆哮が試合のコングとなった。
墓多
「ミラボレアスは宿儺に攻撃を、ミラルーツは私一緒に行動して下さい。」
開始数秒で適切な判断を下した墓多に2頭が従う。
対する宿儺は炎で攻撃をしていた。だがミラボレアスは軽々しく避けていた。
ミラルーツは墓多に飛んできた炎を相殺し、隙をうかがって宿儺に攻撃を仕掛ける。
宿儺はとても楽しそうに戦っていた。そう表情からも余裕が伺える。
墓多も口角を上げ、実に俊敏な動きで宿儺を攻めていた。だがその攻撃は防がれる。
一進一退の攻防が続く。このまま行けば負けるのは体力の差で墓多だろう。
逆考えてに体力が尽きなければ良いのだ。呪力の問題もある。だがこの男、実は呪力はほぼ無限にあるのだ。
何故無限に近い呪力があるのか知らない。何かしらの縛りはあるだろうが今の所は不明だ。
同じ様な動きに段々と宿儺が適応し、それに伴ってつまらなそうな表情をする。ついには捌まで使い出し、墓多達を追い詰める。
墓多はバク転をし、後ろに下がる。そして一瞬のうちに式神を入れ替えた。
選ばれたのは怪異克服バルファルク。漆黒の巨体に赤みが掛かった翼が特徴的だ。墓多はバルファルクに飛び乗り、宙を舞う。
宿儺
「チッ」
面倒臭そうに舌打ちをし、炎出てきた矢の様な物を構え、狙いを定める。
そして放った。
矢の様な物が当たる直前に墓多はバルファルクを蹴り出し、宿儺を殴った。その時、黒い花火に愛された。
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作者名:ゆずさん@駄作者 | 作成日時:2024年1月20日 15時