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「…私で、いいんですか?」
『Aじゃないと嫌だよ、この先一緒に生きていくのは』
「ほんとに…ほんとに、もう離れていきませんか?」
『うん。もう離れない。絶対。』
「…よろしくお願いします!!」
思いっきり抱き着いたけど、しっかり受け止めてくれた飛貴先輩。
…もう、離れなくていいんだ。
『婚約は、解消したから。今度Aのこと紹介するよ』
「ほんとですか!!?…夢みたい」
『それくらい幸せ?』
「勿論です!!!っていうか、ほんとに私、先輩と結婚できるんですか?」
結婚を前提に、って…先輩が旦那さんになるってことだよね?
…数年前の私には全く想像できないよ、こんな幸せな展開。
『Aがオッケーしてくれたらね?よし、じゃあ取り敢えずホテル戻ろっか』
「……浮所A…やばい心臓出そうなんて素敵な響き!!!!」
『そうやって素直に喜んでるのも可愛い』
「可愛い?!!!やだもう私この世に未練ない!!!」
『こんなに誰かのこと好きになったの初めてだよ、Aが最初で最後。…いっつも俺のこと大好きオーラで溢れてて、真っすぐで。ずるいよ、ほんと』
「…ほら、道案内してください!!!」
先輩の方がずるいですよ。
今だって、私のことこんなにドキドキさせて。
先輩の背中を押すこの手が、無意識に熱くなってるんです。
どれだけ一緒にいても、ずっと些細なことでときめいて、その度に貴方に恋して。
『車乗せるの久しぶり?』
「そうでした?なんか連れ込まれた記憶あるんですけど」
『あっほんとだわ!はい、シートベルトつけてー』
「…え?!ここあのホテルからめちゃくちゃ離れてません?!カーナビの表示してる位置可笑しいでしょ!!」
『だってほんとにさっきのやばかったもん』
「死ぬ前に先輩に会いたいなーって思ってました」
『死なせないわ笑』
先輩は、私にドキドキしてくれてますか?
まあ、これからさせますけどね!!
だってもう二度と、離れなくていいんでしょ?
「先輩、大好きです。今までも、今も、これからもずーっと。」
『俺は愛してる、Aのこと』
「……hp0…なんという破壊力!!!!」
『…これから大丈夫かなぁ…』
「私も負けません!!先輩をドッキドキのバックバクにさせてやります!!」
繋がれたこの手は、もう離しませんからね!!!
だって、“好き”はゴールなんて知らずに走り続けるから。
Fin.
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作者名:ぬれおかき | 作成日時:2021年7月6日 0時