ズルいよ、ズルいね【浮所飛貴】 (ページ36)

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生きたまま焼かれるって…拷問すぎるじゃん…！！！
私が何したって言うんですか！！？ああもう！！

こういう時、戦隊モノだったら…仮面ライダーとかスーパー戦隊とか。
来てくれるのになぁ…

「うわぁ燃えてる…」

私の高校生活は、全部先輩だった。
デートも全部楽しくてドキドキしたし、何より先輩も楽しそうだったのが嬉しくて。

これが走馬灯ってやつ…？
だとしたら私、高校生活どころか人生浮所先輩一色だよ。

「怖いよ……」

サバイバルナイフ常備しておけばよかった…
お兄ちゃんの言うこと聞いておけば…いや危なすぎるし。
でもナイフがあればこの縄切れるのに！！！！

「先輩…お兄ちゃん、笑未、お母さん、お父さん…今までありがとう」

こうなったら燃える前に寝てやる！！！
もう知らん！！

「おやすみなさい！！！夢でぐらい先輩に会わせてよねーーー！！！うわぁぁぁぁん！！」

と、意味の分からないセリフを叫んだときだった。

バァァン！！と、数分前に私が想像していたニチアサよろしく、扉が破壊された。

……え？もしかして仮面ライダーとかって実在してた感じ？？
サイン貰っとこうかな…中の人どんな感じなんだろ。
あ、あれか。多分もう私死んだんだ、それでこんな光景が広がってるの…、え…？！

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『A！！！』

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「待ってどうしようこれってほんとに死後の世界なんじゃ…」

なんで先輩がここに？
しかも超かっこいいんですけどスーツ姿。鼻血出そう。

「先輩、私先輩に未練たらたらで成仏できそうにないですごめんなさい…」

『何わけわかんないこと言ってんだよ！！これ口に当てて、早く！』

「へ、あ、ハイ」

『くっそ…火の回り早すぎんだろ…』

乗って、と有無を言わさないオーラを放たれて大人しく先輩の背中に乗った。
こっそりほっぺをつねってみるとちゃんと痛くて。
死んでないじゃん、って。

『浮所！！こっち！！』

『那須！わかった！』

また破壊された壁から水を中にぶちまけたのは、那須先輩だった。
ちゃんとした面識がなかった人に、こんなところで会うなんて。

『走るからしっかり捕まってて』

「はい」

ぎゅっとしがみついて感じる先輩の体温に、じわじわと涙が溢れてくる。
もうこの状況に頭はついていけてないけど、1つだけ確かなのは。

「…私には、ヒーローなんていらなかったな…」

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